推敲の仕方

アンさん( 2005/12/03)
「紅葉の褥の上に貼りつきて蝶々の旅ここに終わるか」
(アン)
紅葉が美しい毛利邸の庭を散策していましたら落ち葉の上にひっそりと蝶が息を引き取っておりました。

あおぎり(2005/12/04)
この蝶は既に死んでいるのですね?その表現として「蝶々の旅ここに終わるか」は少々大袈裟のようです。素直に死んでいることを述べられてはいかがでしょうか。さらなるご推敲を。

アンさん(2005/12/04 )
そのとおりでした。
「紅葉の散り敷くなだりに貼りつきてこの蝶々は息絶えており」 (アン)
あおぎり(2005/12/05)
「なだり」は斜面のことですが、いいのですか?ここは毛利邸の庭ですね?平地ではなく築山(つきやま)の斜面のことでしょうか?また、この蝶々は揚羽のような大きな蝶なのか、紋白や黄蝶のような小ぶりの蝶でしょうか?そのあたりが詠み込めるといいのではないでしょうか?

アンさん( 2005/12/05)
「櫨紅葉散り敷く上に息絶えし小さき蝶の黄なる豹紋」
 (アン)
写実というものは難しいけれども目の前の情景がだんだん見えてくるものなのですね。ありがとうございました。

あおぎり(2005/12/06)
(初案)「紅葉の褥の上に貼りつきて蝶々の旅ここに終わるか」(アン)
(第二案)「紅葉の散り敷くなだりに貼りつきてこの蝶々は息絶えており」(アン)
(第三案)「黄櫨紅葉散り敷く上に息絶えし小さき蝶の黄なる豹紋」(アン)
櫨の木は黄色い花を咲かせるので黄櫨と書いて「はぜ」と読ませるようですね。ここではその葉の紅葉の落ち葉を言っておられますが。上のように3つの案を並べて読みますと、第三案でぐっと観察が細やかになっていることが解かりますね。言われるとおりで、文字通りの写実詠です。詠っておられるのは命のはかなさだけではありませんね。この情景が美しいのですね
「黄櫨紅葉(はぜもみぢ)散り敷く上に息絶えし小さき蝶の黄なる豹紋」(アン)