二首連作として生きています
「姑作る鎌倉彫りの器にて自身最期の元旦祝う」(たかこ)
「ままならぬ身体をおこし重詰を、美味しくきれいと言い呉れし姑」(たかこ)
昭和60年1/6日義母逝去いたしました。病院で死にたくないと言いその年の元日苦しむ姿お気の毒でしたが義母の手作りの鎌倉彫りの重箱におせち料理に腕をふるいました。その間も私の名前を何度も振りしきる声で呼んでくれていました。義母は手早くお料理の腕前もよく、色々教えて頂きました。22歳で嫁ぎ一緒に22年暮らしましたがこの4‐5日義母のことすごく思いだされます。二首になりましたが宜しくお願いします。
お姑さんは「鎌倉彫りの重箱」を作られたのですね?すごいですねぇ。たかこさんが22歳で嫁いで来られ、22年間一緒に暮らされたお姑さんのことが最近すごく思い出されると。お姑さん逝去は昭和60年1月6日とのことですから、殆ど丸21年前のことですね?思い出されたのは、お節料理の季節だからですね?死の数日前にお節料理を作って、お姑さん手作りの重箱に入れてあげたら、「美味しくきれい」と言われたわけですね?生きている側の者は、故人については思い出すことでしか報いることが出来ません。故人の生前の全思考は電磁波となってこの空間に彷徨っているのかもしれません。それが故人を思い出させるのかもしれませんが。お師匠さんのような、いいお姑さんだったようですね。
添削:
「姑(はは)作りし鎌倉彫りの器にて姑(はは)の最期の元旦祝ふ」(たかこ)
「ままならぬ身体を起こし重詰を美味しくきれいと言ひ呉れし姑(はは)」(たかこ)
(自分が作った鎌倉彫りの重箱に詰められた、お嫁さんが作った美味しくもあり色鮮やかなお節料理を、今生の食べ収めとされているお姑さんの幸せな姿が目に浮かびます。二首連作として生きていますね。いい歌だと思いました。)