「枝枝のなびくが中に異様（ことざま）に揺るる枝あり雀子ひそむや」（梧桐）

「われら皆＜今＞にのみ生く＜死＞とはつまり＜今＞が消え去ることにほかならず」（梧桐）


「ひと月があっという間に過ぎ去って月暦剥がす　命を削（そ）ぐも」（新仮名）（梧桐）

「月捲りカレンダーをば破る音年追ひて叫びのごとくひびくも」（梧桐）

（梧桐）：

「花水木の花開かぬまま苞のみがおびただしく散り玄関先にも」

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「核兵器は使用以前に保持するさへ人道に悖ると知るべきなのに」


「集団的自衛権の行使など反対のデモはほとんど報じられぬ」

「カワセミを翡翠と書きしが先にして宝石の翡翠（ヒスイ）は美の類似より」（梧桐）

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（梧桐）：

「世界平和は理想と切り捨つる声多しさうした声こそ障壁なるに」

「世界平和が当たり前であるような世の中はいったいいつ来るのだろう」（新仮名）

「凝視（みつ）むれば闇のはたてに光が生（あ）れたまゆら心のうちそと照らす」（梧桐）

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「核大国は人類破滅の潜在力を持つゆゑ人類に大罪を犯す」（梧桐）

「早朝に会話を交わす雀たち騒がしいけどうれしくもある」（新仮名）（梧桐）

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「グラウンド・ゼロ（Ground-Zero）は核爆心地の意味なりしが９１１のＷＴＣも」（梧桐）（ＷＴＣ＝World Trade Center;世界貿易センター）

「雀らよそんなに騒ぐほどうれしいか　ようやくからりと晴れて春暖」（梧桐）

「民謡をＢＧＭに流せるに心（しん）に沁みきて仕事にならず」（梧桐）

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（梧桐）：

「米軍基地は治外法権わが国土なのに何されても黙認という不条理」

「国あげて撤退要求しなければ米軍駐留は永久に続く」

「玻璃窓の外側曇り露したたる。湿れる暖気の急襲しけん」（梧桐）

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（梧桐）：

「外国の軍隊が駐留する限り真の独立国と世界は認めぬ」

「国あげて撤退要求しなければ米軍駐留は永久に続く」

「ほとんどが開く姿勢のまま開かない花水木の花は何にあらがう」（新仮名）（梧桐）

「あらがふもあらがはざるも意に介せず＜時＞は過ぎ行く同じ速さで」（梧桐）

「首都圏さえ米軍機が自由に低空飛行する現実はあまりに異常だ」（梧桐）

「日本はいまだ米軍による占領下にあると説く本に哀しくも首肯す」（梧桐）

「肉食ふはその数倍の穀物を消費することと知るは苦（にが）しも」（梧桐）


「道沿ひの花水木らは常のごと開花に遅速あり　殊に今年は」（梧桐）

「量子物理は物と空（くう）とは等価と言ふ　色即是空空即是色」（梧桐）

「『「受け」がいい』の「受け」は「受ける」の連用形、その名詞化が「受け」と皆知る」（梧桐）

「「情け」の「け」がどうも気になる、これがどうして必要なのか連用形でもないのに」（梧桐）

「平和ボケと自虐はすまじ願はくは世界がなべてかくあらんことを」（梧桐）

「投票は権利でありかつ義務と言へど行使して後のこの虚しさは何」（梧桐）

「雪片に紛ひて降れる花びらの河水に着きてののちも止（とど）まらず」（梧桐）

「散りしまく花片（はなびら）哀しひとひらごと翻りつつ目路（めぢ）かき乱す」（梧桐）

「ふたたびの破裂にむけて裏付けなき株価バブルが膨らむ脹らむ」（梧桐）

「美醜とは皮相のことと“九相図”語る。否それゆゑにこそ肉は尊し」（梧桐）

「死してより白骨化しゆく過程の絵も死後すぐ灰となる今は仮想図」（梧桐）