「星々も生命体の悉皆と同質の微粒子より成るゆゑ親し」（梧桐）

「仲秋の名月をしかと見つめつつその底知れぬ孤独を思ふ」（梧桐）

「「おじいちゃん髪の毛もっと大事にして」と言はれ苦笑す皮肉にあらざれば」（梧桐）

「縁（えにし）ある青年実業家は中国人　仏教大切、朱熹、蘇軾など語る」（梧桐）

「聞こえ来るさまざまな音に何なのか判らぬ多し今のこの声も」（梧桐）

「かがやきて大波型の白雲が日を襲ひをり　地上も波高し」（梧桐）

「「かまけて」は「感けて」だとは誰知ろう元は「感じて」の意味なのだろうか」（新仮名）（梧桐）

「口笛に寄りくる雀らはしきやし姿見すれば直ぐ飛び去るが」（梧桐）

「蚊を潰す。血の散らざれば吸ふ前とわかり少しくあはれに思ふ」（梧桐）

「秋の虫にまじりひと声鳴きたるは蝉かそら耳か外灯の辺（へ）に」（梧桐）

「台風の去りたるあとの朝の風あびて「秋だー」と妻が叫べり」（梧桐）

「生命は秩序の極限の表れなり無秩序に向かふ自然にあらがひて」（梧桐）

「エントロピー増大の原理に従ひて全ての生命は死へと向かふも」（梧桐）

（梧桐）（新仮名）：

「万葉の相聞歌には人の目を気にする歌が多いのはなぜか」

「柿本人麻呂歌集の歌はいづれも極端に字数が少ないのはなぜ？」

「人麻呂歌集の歌は字数が少なくて読み下し方は一つではあるまい」

「夜に入り秋霖ふり出し虫たちも避難したるや鳴き声聞かず」（梧桐）

「蚤の額ほどの庭にも秋は来て虫の音さかん　毎年同じ音」（梧桐）

「昇り来し月は楕円で面（おもて）には微笑む女（ひと）の顔が描かる」（梧桐）

「空駆くる龍と見紛ふ長き雲よ憂ひの絶えぬ世界へ‘喝’を！」（梧桐）

「風鈴さへ付け方次第で鳴り泥（なづ）む人の世界を司るものは？」（梧桐）

「昼ならば見事な美雲と思ひをり淡く浮き立つ夜の白雲」（梧桐）

「黒き雲追ひ払ひつつ白雲が空を清めゆく　世界も清めよ」（梧桐）