「ことごとく赤き実も落ち花水木は幾多の花芽かかげ越冬す」（梧桐）

「生ゴミの収集日にはカラスらが手当たり次第にゴミ袋破る」（梧桐）

「うるさくて屋上を覗けば案の定カラスら柿など運び来て喰らふ」（梧桐）

「自衛官への応募増やさんと貧困の若者増やせのささやき聞こゆ」（梧桐）

「あはれなる現実としてアメリカでも窮乏層が兵に応募す」（梧桐）

「種の進化は突然変異の累積と言へど何らかの意志ありてこそ」（梧桐）

「生体はあまりに精妙　種の進化に偶然以外のある意志あるべし」（梧桐）

（梧桐）：

「かくほどに情報あふれ縮小する世界に指導者らも身近になりぬ」

「監視網あふれて無防備な小国も侵略されぬ　軍事同盟無用」

「国連の能力には限界ありと言ふ　ならば強化に努むるが道理」

「冬の虹まれとは言へどその理由（わけ）は少雨かあるいは太陽の位置か」（梧桐）


「落ちざるも激流を“滝”と詠みたりし万葉びとの感性や佳き」（梧桐）

「あはれにも盲目（めしひ）の人ら誤れる“光”を求め力を乱用す」（梧桐）

「葉は落ちて実のみ残れる花水木されど花芽も既に着けゐる」（梧桐）

「かくほどに繊月（みかづき）の美を詠みし詩はほかにあるまじ　「斜めに沈む」とぞ」（梧桐）

「「繊月（みかづき）が斜めに沈む」と詠みし詩に思考がしばし停止せりけり」（梧桐）

「夫婦とも癌に冒されうち夫が死にし例あり　われら幸せ」（梧桐）

「“日月”を「たちもり」と読む地名・姓、そのゆゑ論じ合ふくらいの夫婦で」（梧桐）

「あれほどの多くの鳥ら今いづこ駅前の木木が電飾されて」（梧桐）

（梧桐）：

「市花ありて県花や国花のなきことが国政に情緒の無きあかしなり」

「国民の人気取り政策が目白押し改憲に民意得る地平（ぢなら）しならん」

「中国やロシアの政策を報じしのち必ず悪意ある感想を付す」

（梧桐）：

「おだやかに紅葉すすむ国があり虐殺空爆すすむ国もある」

「自爆テロに激しき空爆で報復す「目には心臓を、歯には頭を」と言はんばかりに」

「自爆テロに報復空爆はなやかに。市民の巻添へ回避はせずとぞ」

「遙かなるパリのテロ事件に憶ひ出づ昔日その地で掏摸に遭ひしかな」（梧桐）

「身亡びて焼かれ微塵となりしのち四散し別の命の素（もと）に」（梧桐）

（梧桐）：

「気楽さにアメリカの尻に乗つかつて中国を悪者にする日本恥づかし」

「急速に南沙諸島の波高めアメリカが挑発を続くるは稚戯」

「かつて日本はアメリカの挑発に戦端を開きしが中国は決して乗らぬ」

「一読で解る短歌（うた）をばその故に蔑（なみ）する論は真髄の外（ほか）」（梧桐）

（梧桐）：

「短期間に自衛隊がやすやすと米軍に吸収されゆくに危惧する声なし」

「隣国を敵とみなして米軍と自衛隊の一体化が進む危ふさ」

「呆れたり隣国と仲良くやらうとの発想がまったく生まれぬ政権」

「‘現象’と‘象牙’に関連なけれども共に‘象’を持つ理由（わけ）は知らずも」（梧桐）

「万葉集に歌の重複多くして漢字表記の異なるは何故（なぜ）」（梧桐）

「いかほどの高さなるらん闇空を灯の点が航（ゆ）く　墜（お）ちるなよ努（ゆめ）！」（梧桐）