「妻言へり娘（こ）の住む周辺は学童の成績分布は逆三角形と」（梧桐）

「重けれど天より賜びて溜めおける雨水を運ぶ花に遣らむと」（梧桐）

（梧桐）：

「恐ろしや地球の表層一斉に右傾化してゆく　戦後七十年経て」

「自民党関係者から電話ありて開口一番「改憲」を言ふ」

「武力による平和を唱ふる政治家の多きを憂ふ　九条が泣く」

「安保法の本質はアメリカの軍事費の節約に自衛隊を使はんとするもの」

「案の定自衛隊応募者のほとんどは貧困層の若者と聞く」

「奨学金返済に苦しむ大卒に自衛隊志願者が急増中とぞ」

「アメリカでも貧困層が軍隊に応募し外地で多くが死にき」

「アメリカでは貧困層が兵士として外地で戦ひ富裕層を守り来」

「自衛隊への応募者が激減の暁には徴兵制も現実味帯びん」

（梧桐）：

「ある詩想がふいに現れふっと消ゆ思ひ出さむとすれど白濁」

「胸内に切迫の情起こりしにそれが何なるか知る前に消ゆ」

「時代・国を超えて宗教と音楽は人とは不可分のものであり経し」（梧桐）

（梧桐）：

「住む国土広大なるゆゑ空間に漢詩は展（ひら）き短歌は時間を追ふ」

「白秋の <まちぼうけ> さへ韓非子（かんぴし）の故事に拠ること知る人少なし」

（梧桐）：

「ソマリアの悲惨な現状聞くたびに‘国’とは何かを思ひ悩むも」

「ソマリアの悲劇のもとも結局は欧露のエゴに発しゐるなり」

（梧桐）：

「肝心の改憲は伏せて経済を声高にしゃべる首相の欺瞞」

「国民をバカにする首相は参院選で改憲は伏せ大勝を狙ふ」

「公園の杜に多くたつ彫像のそれぞれがもつ哀しみの翳」（梧桐）

首相へ：
「９条を含む改憲は最重要、公約に謳ひ民意を問ふべし」（梧桐）

「遙かに聞くセーヌ川（せーぬ）氾濫の危機に想ふかつて掏摸に遭ひしルーブル美術館（るーぶる）」（梧桐）

「空の月と「肉月」「舟月」の‘偏’があり漢字の成り立ちの複雑さ示す」（梧桐）

「眼目の改憲のことは伏せ勝ちに耳障り良き事のみ首相言ふ」（梧桐）

「消費税増税延期は参院選に大勝するためと言へばいいのに」（梧桐）

「われわれに最近接せる火星見つつ蛸に似る火星人の漫画を想ふ」（梧桐）

「驚きぬ月に千兆トンの水在るとふ。まして火星にはと想像に遊ぶ」（梧桐）

「いま「水脈（みを）」は航跡の意味、舟通す浅瀬の溝が原義なれども」（梧桐）

「ある人名思ひ出さむと脳髄を思考の熊手で掻けどもむなし」（梧桐）

「いつになく紫陽花が早く色付きゆく今夏は猛暑で長くつづかん」（梧桐）

「落ちかかる月を日本では「傾く」と言うが漢詩では「斜め」と表現」（新仮名）

「闇に反射し自動車の音が裏手よりとどく国道は表にあれど」（梧桐）

「「侘び」「寂び」にピタリの英語が無いやうに日本語に無い英語もあらん」（梧桐）

「俳句・短歌の節調に嵌まる英語詩なし。英語詩は工夫で日本語にもなれど」（梧桐）