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動物らの仕事は食べて鳴くことのみ 人間のわざも似たやうなもの?

使ふあて無くとも命惜しむゆゑ今朝も懐中時計のネジを捲くなり

止めどなく過去が雪片となりて散る幻と気付くにやや間のありき

「かしましく鳴きゐる雀は屋根の上と思へど見えぬ 何遁の術か」「晴れながら春霞ふかくかかるらし音のみ落としジョット機が航(ゆ)く」

あざやかな薄紅色(うすべにいろ)にて迎へ呉れぬ山桜一樹われら夫婦(めをと)を

縄文人も食ふて排泄、恋もしき喜怒哀楽も今人(いまひと)と同じ

散策時に撮るもの変はる 妻に似て路傍の極小の花多くなる

「時機を得る」を「時期を得る」とぞ新聞の社説にありて少々意外

この歳でいかがかと思へど精神は「大死一番乾坤新たなり」

遅遅として花水木咲かぬと見る日こそ身の裡深く疲れありけれ

着色がもし可能なら人々はコロナウイルスを避け得るものを

‘コロナ禍’とはおそろしきかな日日(にちにち)の新聞さへもページ激減

さまざまに思ひはあれど自(し)が事に関はる限り小さしちひさし

胡蝶蘭、大輪の百合を妻が挿し玄関に濃密な芳香の満つ

「隣接にて咲くも遅速のある花水木(みづき) 人間界もかくやと思ふ」「ガガーンと一発雷鳴とどろき身構へしにやがて豪雨が襲ひきたりぬ」「「あるいは」を「あるひは」と書く誤りを大隈言道も犯しゐるなり」

白々と夜空に浮かぶ綿雲より現れし金星ギラギラと輝(て)る

ベランダに雀ら来たりてうろうろす口笛吹けばチチとぞ応ふ

原油価格マイナスといふ異変なり‘コロナ’の影響かくも甚大

「 戦後もながくパチンコ店、運動会などで流れゐしかな」「窓枠の隙(ひま)より花水木(みづき)の先端見え花たち真日(まび)に白くかがやく」

さかりなる花水木(みづき)全身の白炎(しろもえ)に心隈なく照らされてをり

一心に聴く の終りしあと生(あ)るる寂寥にしばし浸れり

朝昼夕(あさひるゆふ)位置を変へつつ金木犀照り葉さまざまに日を砕き止まず

文字を書く手元一瞬かげりたり輸送機低空をよぎりしならむ

鯨を屠(ほふ)り象を操る人間が極微(ごくみ)の‘コロナ’に苦闘してをり

「沈みゆく日を見つつ思ふ現代でも地球は平らと信ずる人多きを」「DNAの図を見つつ思ふ現代でも進化論を信じぬ人の多きを」

「あ~もう四月も終りか」とカレンダー見つつ怒る時の迅さに