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ほんのりとたまゆら朱(あか)きを見たりけりおぼろの朝焼け受くる花水木(みづき)の

「咳1つしてもコロナ」とつぶやく声、げに住みがたき世とぞ思ひぬ

はやばやと花水木の苞散り敷きて路面の白き斑(ふ)桜と見紛ふ

「アメリカ本土を守る基地ある丹後半島 ‘北’のミサイル迎撃せむと」「ミサイル迎撃基地ある京都府丹後半島 事あらば先づ攻撃受けむ

春雷の鳴る音にまじり飛行機が低空をゆく大丈夫だらうか

「寒い」から一転「暑い」に変はりたり‘コロナ’拡散下の天候異常

仏前にて蝋燭の炎の揺るるときみ仏ほほゑみいますと思はむ

「紫のアヤメ四、五本咲きゐしに今朝は黄の花二本が加はる」「数年前二階の張出しに根付きたる紫アヤメ今年も数輪」

「世を思へば憂ひ深まれどとりあへずは生きゐることに幸せを感ず」「貧弱な一画学生を極悪の独裁者に育て上げしは取巻きらなり」

ベランダに来(こ)し雀らと口笛にて長く会話しあ~疲れたり

朝(あした)より空一面に斑白雲(はんぱくうん) 生命(いのち)震へて叫びたくなる

球根を分けて各所に妻が植ゑしオーニソガラムサンダルシー咲く

白く照りオーニソガラムサンダルシーゆらりと立ちて今さかりなり

能ふ限り多(さは)に紅白の薔薇咲(ひら)く低き小柄な樹体にあふれ

いづくより種とび来しかひめじょおん 四、五本がほど黄の玉に咲く

テレビにて珍獣珍鳥見つつ思ふ人間ほどの珍種は無しと

昨日の分の万歩計の数字‘12345’ 何か吉事(よごと)のありたるや・・否

また二本紫陽花の木が枯死したり寿命とは言へ盛時なつかし

ある作家の短編集読む どの編も過不足のなき短かさよろし

ビル屋上ゆ朱色の帯なし雲の伸ぶ人の悲鳴の残響のごとく

以前なら雑草として見過ごしし小花いくつも薔薇と同居す

ドア開けて顔つき出せば雀らは庭木の茂みにばらばらと隠る

西空に鋭く光りし夕星(ゆふづつ)の見えなくなりてもう一週間たつ

礼拝堂などがコロナ感染の中心とは皮肉 神いまさずや

日本語の乱れを言ふが「づ」を「ず」に変へし国語学者らに罪はあらずや

晶子の歌「雛罌粟(こくりこ)」に見るごと短歌には「音(おん)」のみならず「字面」も大事

香港は中国から奪はれ且つ返されき この事実重し同化を厭ふが

五月晴れのありがたさほぼ無きままに梅雨入り間近の予報あるなり