2021年5月1日 / 最終更新日時 : 2021年12月23日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2021年4月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます。 ‘エイプリルフール’中途半端に普及して責任逃れにも使はれて憂し巣作りに使うのだろう細枝を懸命に折り取る鴉よ がんばれ!今春は桜の開花がいと早し京都では千二百年ぶりの早咲きとい黄砂とか霞で永く見えざりし西山の稜線今日はくきやか階上より見下ろせば白の眩暈なり花水木の花は上向きにひらく驚きぬ百歳の媼が情感こめピアノ曲「エリーゼのために」を弾きてアメリカに“ダウン・ウインダー”(down winder)なる人ら居て核実験場の風下(かざしも)に住むこの風呂桶 百均で買ったものなれどどれほど役に立って来たかと思うこの水は幾たび天・地を廻りしや縁ありて今わが前に在る未必の故意?自然の一部なる人類が自然の摂理を乱し始めぬ玄関を出はなに自転車と接触す 自転車が凶器と化す刹那なり(水面から月までの距離と、水面から映っている月までの距離は同じ。鏡像関係)ちょんちょんと路上を走る雀あり否否あれは落ち葉なるべし奈良県の位置を永らく誤解せり意外に深く紀伊半島を抉る“人界”とふ決して破れぬ壁超えて響かむ短歌を詠まむ野望もつDNAレベルで“民族”などはない。人類は一つ、皆同胞なのだちょっとした労に「どっこいしょ」、「また言ったね」と夫婦で言い合う歳になったね雨降れば雀の餌に群がり来るナメクジ集め塩振るたつぷり伸び過ぎしアスパラガスが七支刀のさまに枝枝出して直立す暮れどきの都心の俯瞰写真観てわっと湧き来ぬ‘命’のせつなさ「たちまちに若葉のびこし花水木、花びらのごと総苞散り敷く」「総苞も散り果て今は早緑(さみどり)の若葉が覆ひ潤(うるお)ふ花水木」中天に浮かぶジュラルミン色の満月を人は四月のピンクムーンと呼ぶ真つ直ぐに視界よぎりし飛礫(つぶて)ふたつ今年初めて遇ふつばめなりき古書に言ふ「“生”(せい)を偸む(ぬすむ)は罪重く“死”を偸むのは罪軽し」とぞ