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浅田真央と藤田真央ゐておもしろし女性スケーターと男性ピアニストなり

深緑のあふるる中に白き糸 滝は一筋(ひとすぢ)にて自然を領す

扇風機のまへ通るとき風感ず しばらく前より止まりてゐるに

ただ一つの受精卵よりあやまたず双子は同じ容貌と成る

「塀脇のわずかな隙間に生(お)ひて咲き白百合六花の命かがやく」「雑草やアワダチソウまた白百合の命たくまし岩の割れ目に」

風の荒れ部屋の中まで飛ばされ来し蝉の亡骸(なきがら)なにがな不穏

百合の花 命の尽きてバサリ落ち人の骸(むくろ)のごと横たはる

朝朝のクマゼミの合唱ぴたりと止む今朝降る雨はむしろ冷やか

大雨の降りつづくなか雀らも巣籠りに徹しひたすら我慢す

長雨のふと小止みなる間を縫うてクマゼミ終(つひ)の声を絞れり

カラス鳴くを皆は「カー」と言ふされど我「あー」とのみ聞くは耳あしきゆゑか

ブーゲンビリア薄べに花を並べしがはらりと一花散りて吾に寄る

地震の文字を地獄と読みて狼狽(うろた)へぬ強(あなが)ち誤読にあらずとのちに

過去・現在・未来を三世(さんぜ)と二文字にて“時”わしづかみする仏語(ぶつご)の深遠

朝に見る酔芙蓉おほかた白けれど酔ひ残るごと一部は赤し

伸びやかにオオキンケイギクの数本が路傍に生ひ咲き親しかりけり

般若心経走り書きして読めざれど文字たどるがに大声にて唱ふ

花柄のワンピース一着部屋干しされ包まむ肉体を恋ふ風情なり

「光岳」は「ひかりだけ」ならず「てかりだけ」と。その頂に白き巨岩ありて」

朝朝に届く新聞折込みの広告紙ぼうだい 直ぐゴミ箱へ

“ベト七”とはベートーヴェン第七交響曲、その重量感にはそぐはぬ略称