2021年11月1日 / 最終更新日時 : 2021年12月21日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2021年10月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます。 世に無明はびこる現実を悲しめど吾が裡にもあるをつとに寂しむ台風の余燼の風に生まれては流るる夕雲の色彩変化(へんげ)微かにも聞こえくるかなグリークのペール・ギュント組曲に脳漿波立つさざなみの志賀はともかくわが裡のなほ騒立ちてあるを寂しむ十月の初旬に暑き日つづきゐて夏雲うかび積乱雲さへとどろきて宇宙が二つに割るる夢 醒めて聞き入る秋の虫の音万葉集最後の4巻は家持の歌日記とふ説 さもありなんとも尼寺の庭の隅にて夜→朝を元気に鳴く虫の居て半月余虫たちはそれぞれ鳴く場所を決めてゐて毎朝の歩を愉しませ呉るいつしらにその実朱色にかがやける花水木に来る鴉の目当ては?意外なこと世にはあるもの鳥類の祖先が恐竜といふもその一つ 恐竜ははるか昔に絶滅す されど鳥類としてその子孫が生く細くほそく伸びゆきし飛行機雲なりしがやがて滝の太さに崩れてゆけり思へらく「般若心経」はこれまでに何億回と唱へられけむ 幾億回も「般若心経」は唱へらる。その尊さの嵩(かさ)ならねどもやや心乾くにラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」流れきて潤(うる)む人類もいづれは滅する思へればその旺(さか)んなる今に在る幸よ滔々ととうとうと流るる‘時の川’溺れまいとて懸命に泳ぐ秋らしく冷えし朝(あした)は昨日まで多かりし虫の声も激減にはかにも冷ゆる朝にも雀らは元気に集(すだ)く この平凡よし現代の科学技術の粋ならむ月より‘地球の出’の鮮明写真 驚きつつ観たり月面より昇りくる青き地球のあまりの美貌つひにつひに虫の音はたと止み果てぬこの秋一番の冷えとふ朝に雲の間にやや小型なる虹かかる常とは逆配色にて不可解なりき書斎まで雀の羽一つ舞ひ込みぬ何事ならむ・・外は風巻く幾すぢも太き線状の白雲が鋭く空斬り長々と伸ぶ紺碧の空が全天に拡がるに忘れられたる雲片ひとつその寿命二時間といふ蜉蝣(かげろふ)も百年の人間も‘生’はただ夢驚きは消費税じつは法人税減税の穴埋めにも使はれゐるとは体長が1ミリ以下とふ線虫が各種の癌の発見に寄与す早朝の中天に浮かぶ下弦の月けざやかにしてありがてぬかも次々と龍馬の‘偉業’の化けの皮はがされやがてその名も消えむ‘138タワー’ゆ遠望する御嶽山 煙は見ずも冠雪はたしか 久々に妻とタワーより展望す濃尾平野や名古屋高層ビル群まで