2023年8月3日 / 最終更新日時 : 2023年8月3日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2023年7月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます。 「生」とふ漢字の訓読みの数をかぞふればなんと十指にもなりて驚くおほぜいの歌集の抜粋集読みゆくに稀少で難読の漢字が諸処に雀らの餌場がせまく木の枝にたくさんが待つ先客多くて西の涯(はて)に向きてほそぼそと歩みゆく法師の絵をみて肝冷えにけり漢詩にて「我神」とあるをある本は「わがたましい」と訳せり なるほど新聞をたたむに折れ目が運悪く写真の美人の顔を真二つやや古き一般歌集群の抄録集読みつつ思ふは作者らの生き死に断末魔。日航ジャンボ・ジェット機の墜落時、機長の「がんばれ、がんばれ」は鳩一羽腰振り前をあゆみゆくまるで過日の鴉のやうにいちめんに空に張りたる雲の膜しろじろとしてシミ一つなしかしましく近くの公園で蝉たちが命つくしてこの世を謳歌す平均株価が日本とアメリカで三万台、だけど円とドルの違いがあるよショパンの曲が書斎を満たしひびきゐるピアノの美音の極致なりけりインドの人口ほぼ十四億三千万人、増加の速さにただ驚きてをり大自然に比すれば余りに小さくて我らチマチマと生くそれも必死に「モーツアルトはベートーヴェンとは大違ひなだらかに始まりなだらかに終る」(あおぎり)半世紀余も前のことなれど訪ふたびに母は吾が消ゆるまで見送りましき意識の奥、そのまた奥の奥の奥、鈍く青白き命の影ありひらめきて金魚ら時に襲ひ合ふを至上の美とさへ観るは邪心か天上の曲流れつつまどろむにそを創る人間が今も殺し合ふ昼よりの熱気残れる夕べにて西にあかあかと線状の雲の列朝方(あさがた)は騒がしかりし蝉たちの昼間は静か眠りてをるや朝朝に妙(たへ)なる音曲を流し呉るるこの電子装置は妻の気遣ひ(カタリーン・カリコ博士:女性)これにより命を救われた人は数知れず。