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「生」とふ漢字の訓読みの数をかぞふればなんと十指にもなりて驚く

おほぜいの歌集の抜粋集読みゆくに稀少で難読の漢字が諸処に

雀らの餌場がせまく木の枝にたくさんが待つ先客多くて

西の涯(はて)に向きてほそぼそと歩みゆく法師の絵をみて肝冷えにけり

漢詩にて「我神」とあるをある本は「わがたましい」と訳せり なるほど

新聞をたたむに折れ目が運悪く写真の美人の顔を真二つ

やや古き一般歌集群の抄録集読みつつ思ふは作者らの生き死に

断末魔。日航ジャンボ・ジェット機の墜落時、機長の「がんばれ、がんばれ」は

いちめんに空に張りたる雲の膜しろじろとしてシミ一つなし

かしましく近くの公園で蝉たちが命つくしてこの世を謳歌す

平均株価が日本とアメリカで三万台、だけど円とドルの違いがあるよ

ショパンの曲が書斎を満たしひびきゐるピアノの美音の極致なりけり

インドの人口ほぼ十四億三千万人、増加の速さにただ驚きてをり

大自然に比すれば余りに小さくて我らチマチマと生くそれも必死に

「モーツアルトはベートーヴェンとは大違ひなだらかに始まりなだらかに終る」(あおぎり)

半世紀余も前のことなれど訪ふたびに母は吾が消ゆるまで見送りましき

意識の奥、そのまた奥の奥の奥、鈍く青白き命の影あり

ひらめきて金魚ら時に襲ひ合ふを至上の美とさへ観るは邪心か

天上の曲流れつつまどろむにそを創る人間が今も殺し合ふ

昼よりの熱気残れる夕べにて西にあかあかと線状の雲の列

朝方(あさがた)は騒がしかりし蝉たちの昼間は静か眠りてをるや

朝朝に妙(たへ)なる音曲を流し呉るるこの電子装置は妻の気遣ひ

(カタリーン・カリコ博士:女性)これにより命を救われた人は数知れず。