2022年5月2日 / 最終更新日時 : 2022年5月2日 gotohman 短歌を月毎に画像で見る 2022年4月の短歌 画像をクリック(タップ)すると自動で見ていただけます。画像右上のボタンで一時停止、再開、手動での更新ができます。 脳髄を絞りしぼれど出でこざる忘れ難かるかの旋律よ見るからに枯れ木然たりし躑躅なれど緑葉吹きつぎ不思議のごとし思ほへず東海林太郎(しやうじたろう)唱ふ 流れきて悲し旧日本軍春陽のかがやく庭に感嘆す“清浄明潔”とはよくぞ言ひたる忘れ得ぬシーンの一つ子ら襲ひしカラスを親ツバメが襲ひ地面へ落としきつくづくと我ら時間に操らるそれは‘時’こそ神なればなり漱石の を朗読にて聴くに「わたし」とふ発語あまりに多しかすかなる酩酊に浮かぶ幻影の悲しくもあり寂しくもある「「正す」また「糾す」そして「質す」とありいづれも「ただす」ながら意味はさまざま」「「修業」と「修行」は意味も読みも違ふ。日本語はつくづく難しと思ふ」聴きすませば雀にも多様な鳴き方あり‘雀語’にて会話をしてをるらむか「驚きぬ庭に雀の骸(むくろ)ひとつ仰向けにありてあはれなるかな」 「あはれなり雀の亡骸(なきがら)、餌を競ひ番ひの野鳩に殺(や)られたるにや」花水木の花は上向きに開くゆゑ写真は屋上から撮るがよろしもこの無明の世界を嘆けど光明か脳髄の中を蛍とび交ふ西空に横縞を成すすぢ雲のいづれも輝く斜陽をあびて今の世になほ攪乱のあらばあれこの身しづかに清浄に保たむ次百(つくも)とは次も満点を、との心 短歌(うた)においては容易ならざりわれわれは樹木は長寿と思へるにソメイヨシノは数十年、人より短命鴻毛は軽さの極み、鴻恩は大いなる恩、‘鴻’はいづくに過ぎ来(こ)しの記憶を辿り或る人は涙にむせび或るは笑ふか雀にやる細かな餌を野鳩二羽ねらひて来るなりあはれとも思ふ小児科医院廃業ののち間なくしてショベルカー二台にてたちまち更地に「覆ふ」とも「覆へす」とも使ふ「覆」の字に「鞍馬天狗」を想起するわれ白き花片散るなべさながら早緑(さみどり)の花のごと若葉の生(あ)るる花水木肩おとし歩むサラリーマンにうなかぶすゆらりと高き向日葵おもふ部屋内(へやぬち)に数個の時計をめぐらせてそれぞれの遅速を気にする生活‘鬱’とふ字は見るだにうつとうしき気分になるこの字を発案せし人に脱帽中国の「三国志」にて思へるは曹操と信玄がふしぎに重なる