2005年11月6日

  • 2005.11.06

動物の進化の終わりが猿ならば地球はいつでも平和だろうに (口語) 街中に出火のありてその跡地くらぐらと燃え闇の淵なる 路地裏に車つらなる午後十時塾とふものの退け時にして

2005年10月2日

  • 2005.10.02

去年今年いな年ごとにベランダの一所に来鳴くクツワムシ愛し この日頃聞き親しみしにハタと絶えぬ クツワムシの音(ね)の形の静寂 繰り返し直筆で読む《たけくらべ》はかなき余韻の終章が好きで 街路樹を網で覆へり群がり来る雀のねぐらかくて奪はる 樹のねぐら網で塞がれ幾百の雀ら電線にずらりと並ぶ 樹を追はれ電線に眠る雀らの列の下行く人々の影 ハリケーンに三百万人追ひたてられ北へと向かふ車列延々 酔ふほどに今 […]

2004年9月4日

  • 2005.09.04

人間の浅ましき本性極まれり被災地ニューオリンズに略奪相継ぐ 近過去のはや茫々と立ち返る姫路も道後も別府の街も 白鷺の連理の比翼はばたけり姫路の城は時空を超えて 闇深く女人のすすり泣く声すもはら人間(じんかん)の情理を怨み はらわたを揺り動かしてかの調べ陰々とひびき埒も無かりし 大型の台風ゆらゆら海を這ひ不測不明がゆゑの厳しさ 易々と人の命の霧消してイラク北米アフガンを悼む 人の世の行く末暗示するや […]

2005年8月30日

  • 2005.08.30

吾子二人いち早く吾より去りゆきぬ父・子の絆の薄さ示して 汗匂ふ童が膝に来て愛し息子らを斯く抱きしことなく 子供らはスキンシップを求むるに息子ら胸に抱きし記憶なし 孫抱きて息子らしきりに想はるる雷雨来たりて闇駆け巡る ハイビスカスぽかりぱかりと咲かせたる大衆食堂の這入り親しも

1 351 404