2007年5月28日

  • 2007.05.28

驚きぬ 現職大臣自殺しき戦火に死ぬも悲惨なれども 自殺者数毎年三万を下るなし知りてギクリと頸骨鳴りぬ 山路にて杖つき前をゆく妻がデジカメ写真にやたらに写る 山路にてすれ違ふ人に「何があるのです?」問はれて答ふ「緑を撮る」と 尾根道を行けば視界に入り来ぬ眼前(まさか)の岸壁の上なる岐阜城

2007年5月26日

  • 2007.05.26

(大相撲)白鵬強し:— ひょろりとし少年白鵬たよりなげ最強めざし鍛へられて今 白鵬が全勝優勝せし瞬間朝青龍にかげり見え初む 美しき日本人妻そして一女得てのち優勝果たし横綱へ 待望の新横綱もモンゴル人。かくして相撲も国際化とや 父は英雄、モンゴル相撲の大横綱 息子は日本で大鵬超えむ

2007年5月19日

  • 2007.05.19

老桜(ろうあう)が根方ゆあをあをと新葉を出だし復活をねごうてをるやも すずめ鳩カラスら集ふ近寄れば先ずカラス逃げ雀、鳩逃ぐ 両岸の葉桜並木が照り翳りする日に緑の万華鏡なす

2007年5月17日

  • 2007.05.17

秋期には稲穂の金波の海たりし土地が五月も荒田のままなる 広大なる泥田の中ほど雉のゐて烏近づきしばし睨み合ふ 喫茶店の軒先燕の巣がありて雛らあけゐる菱形の口

2007年5月14日

  • 2007.05.14

いつしらに鴨ら去りたる街川の隅の日向に亀ら寝そべる 魚住めぬ川と思ひしに藻を分けてうごめく影あり真鯉なるべし 後れ毛を立てて小鷺は川の面にみづからの影をしづかに映す 鷺は頸くねらせて吾を見詰めやをら飛び立ち川沿ひに去る ——– 改修も終はり流るる川の水いまは葉桜の緑に染まる

2007年4月27日

  • 2007.04.27

人は皆旅行を愛し犬猫は一生一所ですごして足るも 犬畜生といへど故郷を知るものにて一生(ひとよ)をそこに過ごす潔さ 異様な光景・・・ いくたびもダイビングして軒先のカラスを脅す燕らありけり 攻められて路上に逃れしカラスなれど燕らさらに攻撃止めず 敏速につつかれ奇声をあげるのみカラス魯鈍にて燕に遊ばる

2007年4月17日

  • 2007.04.17

老ひとり雑草(あらくさ)を抜くその後方(しりへ)巨(おほ)いなる牡丹の花五つ六つ 四月半ば民家の軒に垂れ下がり藤の房花はや香り立つ 百種(ももくさ)の花に誘はれ散策する狭き路地にも選挙カ-の音 そこここに杉菜(すぎな)繁茂し緑々(あをあを)とかつての土筆の全盛を明かす

2007年4月8日

  • 2007.04.08

訪ね来て間近に仰ぐ富士山の雪嶺が日に照れる荘厳 富士山の稜線長くどこまでもくだりゆきつひに遠街に紛る 雲払ひ出でし雪嶺撮らむとし行けども行けども電線が邪魔 金色(こんじき)の雪嶺の手前をいうぜんと雲は流れてほしいままなる 富士山の麓周回ドライブにて刻々変はる山容を賞づ 青木ヶ原樹海は自殺の名所といふ 横に眺めて先を急ぎぬ 山中湖西湖河口湖精進湖本栖湖めぐり富士山堪能す

2007年4月4日

  • 2007.04.04

真かどうか、疑問視する人も居るそうですが・・・: 嘘ではなく黄砂が中国大陸から来て日本をぼんやりさせる (口語新仮名) 街川を越えて行くとき俊敏の燕に遇ひぬ四月三日に 日本人の好きな言葉の第一位は<愛>: <愛>といふ甘美に優しき言葉ありわれも日本人この<愛>が好き

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