現在から2017年2月、2004年9月から2001年10月までの短歌を収納しました

今日の歌 

有松絞:- 「伝統といへる無形の血のすぢが古き家並に土蔵に沁み付く」 「手の技のすたるるは惜し 町の人ぽつりとかっての繁栄を言ふ」 「熟練を尊びながらも<絞り>さへ機械化しゆく効率の世は」 「祭とて多くの媼工芸士並びて絞りの技を披露す」 「見世物もときには誇りと工芸士ら絞りを実演。ありがたきかも」 「簡易染め出回る今に藍染は二十回もの染め繰返す」 「藍の甕ふたつ尻向け並びをり深々と藍を湛へしはいつ […]

今日の三首

「腹見せて頭上間近を白鷺が青空を背に大きく羽ばたく」 「大輪の紅花ひらくサボテンに誰(た)が<孔雀>とぞ名付けしか月よ」 「つくづくと長居せしかなこのキャンパス、百花繚乱その幾巡を」

今日の五首

「<愛>といふ甘くもつらき言葉あり。それが育てし技術の重さ」 (NHKテレビ、Xプロジェクトで、<愛>をキーワードとするプラズマテレビの開発物語が放映された。) 「吾が妻に幾度も言ひ来し愛といふ言葉の軽さ重さを量る」 「これまでも幾たび<愛>が人を救ひまた破滅させしや されど愛かな」 「かって我が唱へし<愛の工学>の嗤はれしこと想へば懐かし」 「殺人鬼大統領の持つ力恐れて首脳らやたらと持ち上ぐ」

今日の二首

「うづくまる子猫をとっさに避け得しが明日は平らなただの物体」 -------- 「汝(な)が永久(とは)の住処(すみか)はいづこと自問して明解に答ふこれの時空と」 (「これの」は「この」の強意)

今日の五首

「体調のすぐれぬ妻に聴かせけりかの<亡き王女のためのパバーヌ>」 「妻のためかくる癒しの音楽にいつしかわれが癒されてをり」 「<ダフニスとクローエ>まさに天界より泌み出(い)でそのまま部屋に満ちたり」 「ふか闇にラヴェルの音楽みちわたり確かに宇宙の果を視てゐき」 「君とかく夫婦(めをと)をするは必然の奇跡なるらむ 南無大宇宙」

今日の五首

「雪柳一樹遅れて咲きたるが朝(あした)異様に匂ふ部屋まで」 「不満なり。御在所岳(ございしょ)、伊吹山(いぶき)、御嶽山(おんたけ)が晩春の靄に今日も隠れて」 我が子等の現況報告?:- 「経済出の長(をさ)の子変じてSEなり不況に無縁、多忙なりとぞ」 (SE=システム・エンジニア) 「片隅にいつも潜んでをりし次男いま溌剌と営業こなす」 「郵政が公社化されて一段と忙しさうな吾娘(むすめ)の職場」

今日の五首

「タンポポの冠毛幾多池岸にならびて未来を求め崩(く)えゆく」 「みどり児の頭支へて両腕におずおずと抱きうれしかりけり」 「世に出でてほんの三週間生きて来しされど赤子の眸(め)に真理(みち)やどる」 「次世代の次の世代が生まれ継ぎ気付けば人生瀬戸際に在る」 吾が過去生は・・・ 「要するに時間の波動が濃く淡く襲ふゆゑただ突き進み来し」

今日の五首

「吾の思惟に幾多の意思がからみ付きねっとりとして時間は流る」 「狭庭辺を領してひらくアマリリスよ わが家にかほどの激情ありとは」 「湾曲せる松浦(まつら)の浜に暗く沿ふ長大悠然たる松の原なり」 「新しい唐津のぐい呑み手に入れて古唐津すこし解かった気でいる」 (新仮名) 「かろやかな弦の響きにまつわり付くねっとりとした時間の流れ」 (新仮名)

今日の四首 

大分からの帰路。(これまで何度も行き来した航路なのに、今回初めて関空の全容を上空から雲間に見た。それを記念?して一首。) 「わが機いまいづこを飛ぶかと小窓より見れば地上に<かんさい>の文字」 (関空の施設の平らな屋上?に、白い文字で大きく<かんさい>と書いてあります。名古屋空港に近づくにつれ飛行機は高度を徐々に下げており、上空3、4千メートルからもはっきりと読めました。上空から読めるように書いてあ […]

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