社会詠

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今日の五首

  • 2003.12.23

(年賀用に) 「ひと一人一つの生を生きてきて明日の世界の危ふくとも穏し」 「峡谷の深きを流るる紺青の川に映れる天の水色」 「歳晩と年始を跨ぐ四次元の時空にゆがみ在りと思はず」 「餓えにけるアフリカの子の目に浮かぶ一滴の泪に及く愛ありや」 「顫へつつ我が身の芯を吹きとほる新年(にひどし)の風緑あふれよ」

つれづれに・・・

  • 2003.12.17

フセインをどう料理するかって?・・・ 「皮を剥ぎ肉殺ぎ骨をへし折りて肺腑裂くとも闇しか出まい」 ブッシュなら・・・? 「皮を剥ぎ肉殺ぎ骨をへし折りて肺腑を裂かば金(かね)がざくざく?」

今日の歌

  • 2003.12.16

「飛水峡、奇岩居並ぶ双壁の割れ目に深き藍色の川」 「妻と来ぬ 小春日和の日曜日ほかに人なきこの飛水峡」 「日々しとど枯葉おとせるメタセコイア先端はなほ緑(あを)きがままに」 「傍行けば鴨らぐわぐわ叫びつつ足取りよたよた吾に寄らむとす」 「煙草吸ひケイタイ掛くる様見えて隣車(となり)のドライバー実は女人なり」 「人工の星もかくやの輝きに暮れ初めし空に金星ひかる」 「西空に異様に光る金星を見詰むればそ […]

今日の歌

  • 2003.12.13

「中庭の園通りきて雑念にまとはりつきぬ山茶花の赤」 「幅広き虹の断片ゆらゆらと養老山系あたりより出づ」 「アクセス数50000に達しわが愛車50000キロ超ゆ 関係ないか」 「?(疑問符)がQとоとの象形とは知らず過ぎ来し それがどうした」 「『われわれはいづくより来し』は永遠の謎にして自明の些事とも覚ゆ」 「極大の宇宙を極微(ごくみ)の素粒子もて論ずる読めば子供に還る」 宇宙は閉ぢてゐるか:- […]

今日の二首

  • 2003.12.11

「日本列島晴れのち曇夜は雨忙(せは)しく変はるは天のみならず」 「幾人(いくたり)が自衛隊イラク派遣をば話題にせしや 日本は雨」

今日の歌

  • 2003.12.10

「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]

今日の歌

  • 2003.12.06

東京にて:- 「やたら梅に因める多しと思ひつつ湯島天神境内を歩む」 「大観やら栖鳳の凡作並べたる湯島天神宝物館なり」 「懐かしや湯島天神境内に金太郎飴売る出店のありて」 「学問の神様とは言え<合格甘酒>はちょっとやりすぎじゃありませんか?」 「東風(こち)吹けど起こる梅ヶ香なけれども江戸の庶民の息遣ひ残る」 「境内の一廓にして梅林に窮屈なれど様佳きが並ぶ」 「新劇がお蔦主税の悲恋もの演じし記念とふ […]

今日の歌

  • 2003.09.21

「60を過ぎても老いを感ぜぬは異常と言ふのか。地球45億歳」 「連れ立ちて路地裏沿ひに歩めるに家それぞれが花花を愛す」 「アラファトを屠るとわめくイスラエル 生命(いのち)の軽さ中東に極まる」 「拉致といふ認識外の災難の二十四年後の辻褄あはせ」 下北半島にて: 「幾岬山(いくさきやま)越ゆればすなはち巌仏(いはぼとけ)屹立したる仏ガ浦海岸」

今日の歌

  • 2003.08.28

「一国の暴君たりし痴れ者を賞金賭けて捜すはバカだろ」 「世の中が如何にいびつで捩れてても賞金首だけは真っ平ゴメン」 --------- 「闇黒の池より鈍き悲鳴あがり飛び上がりしは鵺(ぬえ)かお化けか」

  • 2003.08.25

「激痛も意味ある生の証とぞ終末医療を否定する論」 「人生無意味症候群が現代の最も悪しき病といふ論」 「人生の意味を問ひたきこと自体最も悪しき病といふ論」 上の歌の論は、肉体的になんの不具合もない人の論ですので。To be or not to be, that is the question. の類の人生論です。物があふれ飽食の時代、そうした日常の懶惰に流され、創造性・想像性が枯渇するとき、人は生き […]

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