死生観・宗教・思索

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孫ら

  • 2010.08.24

孫ら去りまた来ては去る新しく生まるる孫もありてよろしも あっけなく転がる蝉の亡骸(なきがら)の陽に灼かれつつ物をこそ思へ 過去といふ影絵の上に今を生き向かふは未来とふまぼろしの洞(ほら) ———————– 人間界俯瞰し適確に制御する存在なきが不幸の根源

名刹

  • 2010.06.04

自然の理法解かんと努むる<人>といふ生き物居るゆゑ宇宙は在るや 人間が居やうが居まいが地球は生(あ)れいづれ消えゆく それだけのこと ————– 沖縄の負担軽減を餌にして全国の沖縄化を図る愚は為(す)な ————– 生す苔の青青と照る名刹の庭に落葉を焚く煙ながる

悲しき予感、ほか

  • 2010.03.10

真善美愛夢などの語を好む日本人なり異色だらうか 鬱病に悩むは国内に七十万人(ななじふまん)いづれも自殺願望者とぞ 生命(いのち)とは儚きゆゑに切なかり吾が身辺よりつぎつぎと消え 花びらは木々より消えて脳内の宇宙にきらめき思考を刺激す ————– ◎未来への悲しき予感・・・: 兵器とは持てば使ふもの持たざれば平和を求む 自明の理なり 核アレ […]

今日の雑詠十首

  • 2010.02.17

生きてゐてこその人間、死にすれば肉も心も消えておしまひ 輝かん希望に膨らむその胸を凶刃が深く貫きしとぞ 胸深く抉られし女性(によしやう)の絶叫は果なき夜空のいづくさまよふ 殺すとは人を物体に変ふること。いかなる人にもその権利なし 人命を奪ひし人は一命にて償ふほかに道なしと思ふに バンクーバーをハンバーガーと茶化す人テレビにをりて口ゆがむ見ゆ バンクーバー冬季五輪に渦巻くは世界の活力の熱気なるべし […]

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