縁者・知人らの死
- 2010.09.05
さよならも言はずつぎつぎに人が逝く。われもう五十年、生を楽しまん
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
さよならも言はずつぎつぎに人が逝く。われもう五十年、生を楽しまん
孫ら去りまた来ては去る新しく生まるる孫もありてよろしも あっけなく転がる蝉の亡骸(なきがら)の陽に灼かれつつ物をこそ思へ 過去といふ影絵の上に今を生き向かふは未来とふまぼろしの洞(ほら) ———————– 人間界俯瞰し適確に制御する存在なきが不幸の根源
海月(くらげ)といふはかなきもののゆらめきの脳なきゆゑの美しさかな 夜の雲の間(あはひ)にのぞく深淵に過去の霊魂悉皆あそぶ
ふと気付く濃(のう)より淡(たん)へが自然流、されどお金はその逆に流る 貧富あることを悪とは思はねど余りに過度の貧富は憎む
もし人とふ種(しゅ)のなかりせば星ひとつ認識されず漂ふのみにて 人の知は宇宙の理法を解かんとす宇宙にとりては自明ならんに ——————- アメリカ製御用学者の基地論に日本人かと疑ふ時あり ——————- わき清水せせらぐ音に夜を鳴る南部鉄製風鈴の影
自然の理法解かんと努むる<人>といふ生き物居るゆゑ宇宙は在るや 人間が居やうが居まいが地球は生(あ)れいづれ消えゆく それだけのこと ————– 沖縄の負担軽減を餌にして全国の沖縄化を図る愚は為(す)な ————– 生す苔の青青と照る名刹の庭に落葉を焚く煙ながる
透きとほる大空の青を眺めつつその先に闇あるを思はず 両岸の葉桜並木はさみどりの帯を水にも流しさやげる 魂とふ実体のなき塊がぶつかり合ふのが人の世ならむ 肉体と精神の二者が在るのではなくびんびんと鳴る鐘のごとしも
人間は生まるるも死ぬもひとりと言ふされどひとりで生くるにあらず 自己知るはもつとも困難と説く君よ自死する人の心は解かるのか 温暖化のあかしは多しと思へるになほ寒冷化を唱ふる人絶えず
真善美愛夢などの語を好む日本人なり異色だらうか 鬱病に悩むは国内に七十万人(ななじふまん)いづれも自殺願望者とぞ 生命(いのち)とは儚きゆゑに切なかり吾が身辺よりつぎつぎと消え 花びらは木々より消えて脳内の宇宙にきらめき思考を刺激す ————– ◎未来への悲しき予感・・・: 兵器とは持てば使ふもの持たざれば平和を求む 自明の理なり 核アレ […]
生きてゐてこその人間、死にすれば肉も心も消えておしまひ 輝かん希望に膨らむその胸を凶刃が深く貫きしとぞ 胸深く抉られし女性(によしやう)の絶叫は果なき夜空のいづくさまよふ 殺すとは人を物体に変ふること。いかなる人にもその権利なし 人命を奪ひし人は一命にて償ふほかに道なしと思ふに バンクーバーをハンバーガーと茶化す人テレビにをりて口ゆがむ見ゆ バンクーバー冬季五輪に渦巻くは世界の活力の熱気なるべし […]