占ひ
占ひなどよくもまあデタラメを連綿と並べるものと呆るるは不遜?
2000年11月に梧桐学のの短歌ホームページ「ものぐさ」を開設し、2001年10月に「短歌添削BBS」を設置しましたが、そこに投稿させて頂いた梧桐学の短歌を収納しています。スマートフォンからのアクセスの方は画像のリンクではなくメニューアイコンを開いて各ページへ移動してください。
占ひなどよくもまあデタラメを連綿と並べるものと呆るるは不遜?
ブラインドの隙(ひま)より射し入る陽のゆれてふつふつと湧く生命(いのち)あるなり
鏡見て焦るともなし人並みに老いゆくことに安堵もありて 朝晩は涼しくなりて公園の熊蝉の声が急激に減る
賑やかな祭り囃子を見おろしてどろりと赤き楕円の月浮く
人はみな他人(ひと)死なば悲し皆いづれ死ぬと知りつつ 冬雷ひびく
日本は超格差社会ぞ相対的貧困率が15パーセント超えて . まだ青き柿の実むさぼる鴉らの貪欲な眼の光に怯(ひる)む 鳩たちが畦にはみ出る稲の穂をついばみてをり雀らも寄る 秋空に黒き点見え近付けば大きく網張る蜘蛛にぞありける 秋空に浮きゐし孤雲の消えてすぐ筋雲わき来て感動す 妻も
街なかは飾られてあれど裏道に崩れさうなる廃屋いくつ 幹線の直ぐ裏に立つ煙突はひび割れはげしく今にも崩れん 本町のアーケード街の雨漏りを避けて歩めりシャッター通りを 細道に古き倉たちぽっかりと開く窓の奥に時代の闇見ゆ . ゆらめきはわが裡にあり朽ちてゆく煙突より出づる煙のぽっぽ」
イラクの現状 内戦だ内戦ではないと言ひ合へる これほど虚しい議論はなかろう ——————— 「虚しい」といふ感情はいづくより来るのか 無明の雲に飛ぶ鳥 「さう言へば「美しい」とふ感動はいかなる作用か 蝮が笑ふ . 佇(た)つのみに降りかかる公孫樹の落葉(らくえふ)は金箔であり魂魄である . ビルの間(ま)に浮かぶ真 […]
ウェブなどに怪しくうごめく情報群、騙しのテクニックを競ふがごとし 文明の利器にも利便と危ふさの二面性ありて危ふさ勝る . 泥沼のイラク情勢けふもまた閃光のもとおほぜい死にけり 殺し合ふが人間の性(さが)と歴史言ふそをうべなひて殺戮けふも . 闇の奥泥中に咲く花ありてわが脳漿を赤く染めたり
「山上の城を照らせる光線に白く浮きつつ雲の影はしる」(梧桐) 金華山山頂の岐阜城(昔、稲葉山城)。斉藤道三、織田信長ゆかりの城です。夜には下方から照明されて美しい。今晩、若者らとの宴会を済ませて職場へ戻る途中、バスからこの歌のような情景を見ることができました。おそらく雪雲と思われる雲が盛んに城にまつわりつき、城とともに照明に白々と輝いていました。何の主義主張も含まない、純粋な抒情歌。