今日の一首
- 2004.03.16
「昼間見し紅梅の影を闇に置き月なき空に金星光る」
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
「昼間見し紅梅の影を闇に置き月なき空に金星光る」
「朝戸出にあふぐ真青な中天に完全無欠の半月貼付く」 「上方から日本刀にてたち割りし月の左半が朝空に残る」 「白き円カミソリをもて真二つに切りし一半 今朝の月かな」 口語新仮名: 「青なのに行かない前車へクラクション。ぎくりと発車しバックミラー見てる」 {独り言:交叉点で、信号が青に変わっているのに、考え事か何かをやっていて気付かず、なかなか出ない前の車にジレてクラクションを鳴らすと、ハッとしたよう […]
「前を鎖(さ)す自動扉の開(あ)かざるはビルに拒絶の意思あるごとし」 「湯浴みしてお茶煎れ呉るる何げなき所作にも妻のリズムあるなり」 「今年また非業に死にし人幾たり望まず生まれし人は幾たり」 「良識が束になりても裁き得ぬ国あることは不幸ならずや」 「宇宙とは絶対3°の闇の闇 逝きし人らの魂(たま)も冷えゐん」 (絶対3°=-270℃; 宇宙背景輻射温度=全宇宙平均温度(通説))
「中庭の園通りきて雑念にまとはりつきぬ山茶花の赤」 「幅広き虹の断片ゆらゆらと養老山系あたりより出づ」 「アクセス数50000に達しわが愛車50000キロ超ゆ 関係ないか」 「?(疑問符)がQとоとの象形とは知らず過ぎ来し それがどうした」 「『われわれはいづくより来し』は永遠の謎にして自明の些事とも覚ゆ」 「極大の宇宙を極微(ごくみ)の素粒子もて論ずる読めば子供に還る」 宇宙は閉ぢてゐるか:- […]
「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]
「満月の日に日に細りゆく迅さ<時>とふ魔物が殺ぎ落とすなり」 「満月を殺ぎ落としゆく超絶の時間が再び満月つくる」
2003-10-10:今日の十五夜の月、薄い雲を通して輝いていましたが、ふと見ると何と月を取り巻いて虹が出来ていました。いわゆる暈とは違い、月を大きく囲む細めの虹で、円弧のまま完全な円には成長することなく、ほつれて消えていきました。通常の虹とは逆の配色であったことも不思議です。 「満月に細き虹いま架からむとすれども完結せずに消えゆく」 「満月に架かる虹あり細々と逆配色にほのかなりけり」 「玄妙とも […]
「外見ぬまま今日も暮れたりこほろぎの身を絞る声聴かずとも立ち」 「こほろぎの号泣土中を灯すかな怨霊あらば散りて海に去れ」 「宇宙誕生偶然なのか奇蹟かと埒もなきこと脳かけ巡る」 「始まりはありしが終りはなしといふ蓋し<宇宙>は幽霊の祖(おや)」
「直ぐそこまで来ている火星へ未来線宇宙号に乗って行きたい」 「星々にたとへやうなき憧れを抱くは星のかたわれ我ら」 「天球の真洞の闇にあかあかとされど沈沈(ちんちん)たる第四惑星」
「闇深く雲走るらし朧月さらにおぼろに見え隠れせる」 「正面におきて走れば満月は居並ぶ家屋へつぎつぎと落つ」