郡上八幡
- 2018.05.15
隠々と盆踊り唄を幻聴す郡上八幡を妻と歩みて 吉田川 急流にして岩を噛み段(きだ)くだるときに激しく繁吹(しぶ)く
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
隠々と盆踊り唄を幻聴す郡上八幡を妻と歩みて 吉田川 急流にして岩を噛み段(きだ)くだるときに激しく繁吹(しぶ)く
千三百年前の改元の因なりし <養老の滝> は緑に染まれる 落ち口は激しくしぶき太々と <養老の滝> は緑陰を落下す
薔薇園に今が盛りの薔薇いつぱい 色彩の競演を妻と楽しむ ま青なる薔薇を創るは不可能らし青薔薇と言へるは青もどきにて
吹かれつつ海辺に立てば彷彿せり北海道の四桁国道
百花咲く園を歩めばとりわけて若葉の緑が照りて眼に沁む 花の園なればあまたの種(しゅ)の花の色彩に酔ふ名などは捨象し くさぐさの花また緑の中およぎ世の喧噪を忘れゐにけり
久々に海を見に来て鬱積する暗き想ひを放出しにけり 対岸にジェットコースターや観覧車海に浮かぶごと陽を浴び揺るる 巨(おほ)いなるタンカーひとつ水平線にありて海鳥ここだも騒ぐ 四日市コンビナートも遙かにて巨大プラントも小さく聳ゆ はてしなき外洋に向き撮るものは連れ来し妻のみカシャカシャカシャと
丘に立ち天橋立生き物に喩ふるは止めただ眺めをり たれもかれも光に包まれ生きたしなど思ひつつ天橋立股覗きする いい年してなど言はれさうな恰好にて天橋立股覗き 妻も 成りし因はともかくとして長き砂洲の天橋立に老松多し 歩ききりまたリフトにて丘にあがり眺望なほ良き天橋立
いなべ梅園-2: くぐりゆく嬉しき梅花のさまざまに色香のかげりは妻を染めつつ 丘に立ち俯瞰をなすにひろびろと梅園は花色のけぶらひてあり ほの曇る日の梅園は幸うすき女(をみな)が悲しみにむせぶとも見ゆ 俯瞰なす広き梅園を掃過する日筋(ひすぢ)に百花のたまゆら鮮(あたら)し
いなべ梅園: 思ふことなき春の日に梅園を妻ともとほり色と香にひたる 梅の花の白・紅・ピンクに連翹の黄がまじり園は桃源郷なり 梅園に色彩ただよひ間を措きて雲裂き覗く空が青添ふ
幾種もの芝桜一面に咲く観つつ茶臼山高原の冷気たのしむ スキー用リフトに大勢が行き交へり芝桜咲く斜面すれすれに