新仮名

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今日の2首

  • 2004.08.10

屋上に望めば夕空一面はこがね散り敷く浄土の四海 ーーー (新仮名) 突風に歩行みだれる あわれ目に見えないものに人はよろめく

今日の衝撃

  • 2004.06.01

<衝撃> 「さあ6月衣替とて華やげるこの日に児童が児童を殺(あや)む」 「殺意などあろうはずもない児童の十一歳のある日の悪夢」 (新仮名) 「血を浴びて教室に戻りし小六の女児には今も未来も修羅場」 「小六に宿りし憎しみ何ならむ切られし児童に死の意味あはれ」 「首切られその瞬間に児童から未来が血潮とともに飛び散った」 (新仮名)

今日の歌

  • 2004.03.19

「テロの報聞くたび心の痛むなり汚泥のおほふ世界の平和」 「爆撃は最大のテロと誰か言ふわれもしか思ふ雛祭の日に」 「梅椿盛りなれども3月の地を伝ふ物の怪(け)の不穏あり」 (新仮名) 「暴力と汚辱はびこる地球から純な思想が日々遁走する」 ----- 「贈られし花束飾り悦に入る書斎の妻よ永久(とは)に若かれ」 「空中の電波を拾ひ自動にて時刻を合はす電子時計くん」

今日の二首

  • 2004.02.29

(新仮名)2月29日:- 「ああ2月君さえももう去り行くか人の心に<惨>を残して」 (旧假名)汚れし地球よ:- 「穏やかさ過多でも不安 雲散りてのぞく青空地球を映す」

今日の3首

  • 2004.01.11

「氷(ひ)の風に追はれ入り来し高層ビル内暖かく陶芸展観る」 「常凡の技から余肉を削ぎ落とし芯のみ残す熊谷芸術」 ・・・(ジャコメッティーの彫刻芸術のようだ。。。) 新仮名: 「かな漢字変換《くまがいもりいち》が一発で《熊谷守一》と出た」

今日の歌

  • 2003.11.19

「劇物の希釈もすらむ小流れに青鷺が佇(た)つ冬の顔して」 (新仮名短歌) 「この部屋に住んだ三十年の垢なのだろう持ち去っても破棄しても減らない書類」

今日の五首

  • 2003.05.17

「吾の思惟に幾多の意思がからみ付きねっとりとして時間は流る」 「狭庭辺を領してひらくアマリリスよ わが家にかほどの激情ありとは」 「湾曲せる松浦(まつら)の浜に暗く沿ふ長大悠然たる松の原なり」 「新しい唐津のぐい呑み手に入れて古唐津すこし解かった気でいる」 (新仮名) 「かろやかな弦の響きにまつわり付くねっとりとした時間の流れ」 (新仮名)

今日の五首

  • 2003.01.29

(新仮名) 「風にのり細かい雪が降りしきるあとからあとから無蓋の天より」 (以下旧仮名) 「暗き闇あくまで深くその果より湧き止まぬ雪は天の泪か」 「積もる雪たちまち凍り舗道には見の限り車が連なり歩く」 「文明の先端なのに雪降れば自動車人よりそろそろ動く」 「ビスマルク、大和など古き巨大艦回顧する番組いときな臭し」

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