東北旅行詠-7 2003.10.31 旅行(ドライブ)詠 <東北旅行詠-7:下北半島> 「奥入瀬を午後五時に発ちひたすらに<むつ市>を指して宵のドライブ」 「海岸に沿ひて飛ばせど下北の実感はなし夜のドライブに」 「ひらがなの市名が流行りか〈つくば〉〈むつ〉〈さいたま〉などと増えていくけど」 「恐山おそるるなかれ真昼間に来れば秋の陽なべてを曝す」 「恐山賽の河原に幾組も小石積まれて倹しき鎮魂」 「開山は九世紀といふ恐山おどろしき上に硫黄臭はなつ」 「要するに奇形異形に溶岩の固まりしなり霊場恐山」 「大風に小枝落ちたる林みち抜けて到りぬ大間ガ崎に」 「本州の最北端とてデカプリオの真似などしても様にはならぬが」 「一本釣りの大間ガ崎なりニ百キロのマグロがでんと店先に置かる」 下北半島 「岬山(さきやま)を幾つも越え来てやうやくに仏ガ浦の山腹駐車場」 「海岸ににょきにょき聳(た)てる奇岩群に畏敬の念を禁じ得ずをり」 「恐るべし仏ガ浦海岸にかほどの奇観を創りし潮力」 「一キロの下り上りをなす価値あり 仏ガ浦を評して妻は」 「青森へ下北半島南下せんハンドル握るは頼もしき妻」 共有:FacebookX 前の記事 今日の四首 2003.10.26 次の記事 今日の一首 2003.11.01