今日の歌 2003.06.09 生活詠 有松絞:- 「伝統といへる無形の血のすぢが古き家並に土蔵に沁み付く」 「手の技のすたるるは惜し 町の人ぽつりとかっての繁栄を言ふ」 「熟練を尊びながらも<絞り>さへ機械化しゆく効率の世は」 「祭とて多くの媼工芸士並びて絞りの技を披露す」 「見世物もときには誇りと工芸士ら絞りを実演。ありがたきかも」 「簡易染め出回る今に藍染は二十回もの染め繰返す」 「藍の甕ふたつ尻向け並びをり深々と藍を湛へしはいつ」 「玄々と甕に満ちたる染料の生む藍すなはち世の淵の色」 「有松の祭で買ひしささやかな絞りの品に妻は足りゐる 共有:FacebookX 前の記事 今日の三首 2003.06.05 次の記事 今日の歌 2003.06.13