焦点をあてる

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歌の焦点

久方に独逸語辞書を開きつつ    「シュレーエ」咲ける河岸を想ふ (幸乃さん2001/11/07) 「独逸」という表記がいかにも古風ですね。意識的?それとも、辞書の表題がこうなっているのかな。なるはど、「シュレーエ」では大抵の読者は解りません。何か花の名前だということは理解できますが。色、形、大きさ、背丈など、その花の属性が解らない。これらは作品の理解を助けるばかりではなく、作品に奥行きや色を添え […]

歌の焦点

「秋の宵 吾子の手を取り道すがら電線をゆく満月を見る」 (里穂さん2001/11/01) 満月は観れば見るほど美しいものです。「電線をゆく満月」というのがユニークですね。歩みとともに、電線に平行に動くということかな。あるいは電線に切られた状態で動いているのかな。  5歳のお子さんですか。(女の子?)  改作は「電線をゆく満月」に焦点を絞ります。その方がすっきりし、この表現や満月の印象も生きるから。 […]

歌の焦点

「『ソーラン!』の掛け声高く踊る孫の運動会に世情忘るる」 (すみえさん2001/10/20) この歌、気分は出ていますね。「運動会に世情」を忘れる、とするよりも、運動会で孫が踊っている姿を見て世情を忘れる、とした方がお孫さんに焦点が合っていいですよ。 添削・改作: 「運動会?掛け声『ソーラン!』響かせて踊る孫らに世情忘るる」 (すみえ)

推敲の仕方

「梅雨月夜ピアスを片方落としたの見つかるはずなのもう少しいて」 (nanamiさん2001年7月13日) ピアスとあるから、若い女性ですね。添削には最小限の情報が必要でしてね、若いかご年配かくらいは知らないと。(最近は青年男子もよくピアスをしていますね。しかし、歌の感じからは明らかに女性。) この歌、ピアスをうっかり落としたので、デートの相手を待たせて、月明かりを頼りに探している、という情景ですね […]