名詞化した言葉

「箱根空木咲く山道は新緑に風も光りも潤いを渡す」(宋見)
箱根空木が伊豆の山野を彩り始めました。白い花が散り際には赤くなります。
赤は散る寸前の為に、近くで見るとみずみずしさに欠けますが、遠目には紅白咲き乱れてきれいです。
五月の山を渡る風は新緑の瑞々しさを含んでいて、潤いを持って私たちの身体をやわらかくほぐしてくれます。
光もこの瑞々しさと潤いを持っているように感じさせて、五月のさわやかさを演出しています。

箱根空木がいまお宅の周辺で盛りなのですね。今は新緑が大変うつくしいですが、
こうした花々が文字通り彩りを添えているわけですね。お作の最後「潤いを渡す」がちょっと唐突で分らないところがありますが、たぶん「譲る」
というおつもりでしょうね。ただ、ちょっと理屈っぽい?ところで、他所で幾度も書いていますが、名詞の「ひかり」は「光」として下さい。
「光り」はいかにも変です。「はなし」は「話し」ではなく「話」とするように。もちろん動詞であって、その連用形としてなら「光り」「話し」
ですが・・・。「潤い」は動詞「潤う」の連用形を名詞として使ったものですが、それはまだしっかりと普通名詞化していないからです。「光」
「話」などは完全に名詞化しています。

添削:
箱根空木咲く新緑の山道に風も光も潤ひを添ふ」(宋見)