名詞止めに注意

コンクールに出す短歌が選べず、また質にも疑問があるので、添削もしくは応募作品三首を選んで頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
片恋の白く流れる幻はヴァニラコークに香る南風
紙飛行機を空に重ねた白昼夢 翼に映る横顔の君
君の眼は刹那の空飛び 柔らかな黒と蒼とで舞うセレナーデ
ホームにて 天然色の 海を見る ラストシーンの 影絵の柘榴
哀しみは 隣同士に 咲かせてた 榊とレモンの 清しい暗号
行間を 飛び交う雲雀 優しげに つく嘘一つに 返した嘘が
満たされた 夏の日差しの グラスさえ 落として彼に 東京在りき
秋薄 ノートに流す 言の葉が 風に流れて 落ちる宙宇
潮騒の ザザラと笑う 山の間に 「夏は過ぎたか?」 問う人も無し
密やかな 春の真昼の 弧度法は ブレザーを着て 見ていた夢さ
はるかすみ 追いやる心 知らずして 思想の欠片が 歩み寄る君
街・風・波 出会う季節は いつだって ポケットサイズの ヒミツの永遠
青春の 暁などは 名ばかりと 呟く君が 紡ぐ鳩麦
(cream soda)
2006/07/23
10代の若々しい感性が窺える一連ですが、13首のうち9首が名詞止め。クセかな?名詞止めは余韻を残すこともあるけれど思考停止効果が大きいから、安易とも思えるほど、ここまで使うのはよくないでしょう。13首から3首を責任を持って選ぶことは出来ないし、またここはそういう場でもありません。ただ折角だから、無責任でよい、というのなら(名詞止めだけにならないように)、「行間を 飛び交う・・・」「密やかな春の真昼の・・・」「青春の暁などは・・・」あたりかな。一首ごと見ていけば手を入れたいと思うでしょうが、ここは原則的には一度に一首の投稿をお願いしています。了解して欲しいですね。ただ、全体をざっと読んでみて、才能を感じます。是非作歌を続けていって欲しいです。
添削例:

「行間を飛び交う雲雀の優しさよ一つの嘘に返した嘘の」(cream soda)
「ひそやかな春の真昼の弧度法がブレザーのまま見る夢を剪る」(cream soda)
「青春の夜明けの門など名ばかりねと呟く君が紡ぐ鳩麦」(cream soda)