短歌は原則的には一息に書くもの

満開の 梨に点々 耳掻きの
綿(めん)が蜂となり 花粉を運ぶ
(伊那佳2006/07/16)

昔、我が家は梨の果樹園をしていました。人工授粉は母と一緒にしました。満開の花に自家製の花粉を付着させます。綿が蜂の役割を果たします。(現在も同じ方式)

数十年昔の思い出
( 果樹園は 働き者が 姿消し 麦と大豆の 畑に変わりゆく)

伊那佳さんは伊那で生まれ育ったのですね。生粋の伊那っ子というわけですね。お作で「耳掻きの綿(めん)が蜂となり」が解かり難いですね。手間隙駆けて、綿棒を使って受粉させるわけですね。添え書きで、「人工授粉は母と一緒にしました」、「数十年昔」とありますが、それではまだ生まれていないか、幼児でしょう?
(もうそろそろ、各句ごとに一字空ける書き方はお止め下さい。短歌は原則的には一息に書くものです。啄木は3行書きを試み、また今でもスペースの関係で複数行に書くことはありますが、各句ごとに一字空けるのとは全く違います。

改作(旧仮名):
「綿棒を蜂の代はりに母とわれ梨に人工受粉せしかな」 (伊那佳)

(読み:「めんばうを はちのかはりに ははとわれ なしにじんこう じゅふんせしかな」)