やわらかさを出す

「一夏を咲き続けゐし百日紅秋空のもと青き実結ぶ」(すみえさん2001年9月28日

庭に白色のさるすべりがほんとうに百日咲くように、ずっと咲いていました。歌を作るようになるまでは無頓着で、恥じいるばかりですが、一夏中咲いていることも気がつきませんでした。ただの写生ですが、自分が感動した事でしたので詠みました。

ははは。ただの写生ですか。単なる状況報告歌と活きた写生歌は違いますね。写生歌の場合、感動があって写生をするわけですから、対象を活写することでその感動が読者に伝わるわけです。要するに、歌に感動の裏付けがしっかり籠もっているかどうかで、単なる写生歌あるいは状況報告歌の類か、すぐれた短歌かの差が出ます。また、単に写生と見えて、その実は作者の人生観などが裏に込められていることもありますね。短歌も色々です。

添削・改作
「ひと夏を白さるすべり咲きとほし いま秋空に青き実むすぶ」 (すみえ)

いい写生歌ができました。(これも状況次第ですが、やわらかさを出すため、漢字の羅列はなるべく避けるようにしました。短歌は三十一音をあまり切らないでひと息に書き下すのがいいのですが(これも状況次第ですが)、読みやすくするために、「咲きとほし」と「いま」の間に、(全角ではなく)半角分の空白を入れました。)
このように、作歌というものは色々こまごまとした配慮をするものです。まあ、作歌に慣れてからでいいのですが。