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四月の短歌

         四月二日

不穏なる未来九首
「軍人は命(めい)に従ひ動くのみ そを操れる〈悪〉はいづこに」

「バクダッド占領せんと前進せる米軍あはれ殺戮が待つ」

「侵すためただひたすらに空爆す 力の前に世論もさ蝿」

「住宅も病院さへも爆撃し いかなる正義があるといふのか」

「日常化既成事実化さるるほどに〈侵略〉といふ事実も隠る」

「目閉づればさまざまな音聞こえきて例へば砂漠をわたる絶叫」

「米国のイラク侵略戦争を忘れむとてか花の絢爛」

「紫の木蓮の花内白く今を悲しみ反りて落ちゆく」

「霧雨におし包まれて咲き満つる桜並木の影映す路(みち)」

 

     四月四日

「雲薄く張れる夜空を航(ゆ)く明(あか)り幾百人の乗れる機体か」

「夜桜が雨中に灯を受け眩しかり犇き合ひて生命(いのち)みなぎる」

「花散らす雨の絹糸照らす燈(ひ)のいさぎよくして咽ぶ声する」

     四月五日

結婚記念日
「マルガリータただ一杯に酔ひつぶれ妻は少女の貌(かほ)にて眠る」

「春風のわれらが結婚記念日に花散りバクダッド陥落せんとす」

      四月十一日

「日溜りに猫が腹見せ大あくび僕の願望見透かすように」

「花びらのまだらに残る枝々ゆ湧くさ緑は希望と言ふべし」

     四月十二日

「メタセコイア、裸木なりしが天を突くさ緑淡き円錐となる」

「枯れ枝に並ぶ雨滴が道の灯に無数の灯ともす 無辜の泪を」

         四月十三日

「クレマチス紫匂ひ白香る殺戮の世を冷笑せるがに」

「億の花咲き盛るとも愛を知る人の心に勝る花なし」

「人の世は絶えず動きて岐阜駅も八重洲に勝り新生せりけり」    

 四月十六日 「若者の嬌声の中に仰ぐ月青く満ちつつ泣き顔を秘む」

「若者ら清き声にて騒げればかの頃のわれ俄に恋し」

「わかし我若しと常に思ひ来しに<時>の魔性を我が如何せん」

「うすみどり桜並木を覆ひきて霞む空こめ汝(な)が愛満ちよ」

「ネオコンはベトコンならず力のみ正義とみなす現代の悪魔」

【注:ネオコン=新保守主義集団。アメリカの富と権力を牛耳る新興の集団。ユダヤ系富豪が多く、ブッシュを大統領に担ぎ上げ、今回の強圧的にして非道なイラク侵略戦争に踏み切らせた。ベトコン=ベトナム戦争当時の、南ベトナム民族解放戦線の俗称ないし蔑称で、ベトナム民主共和国〔North Vietnam〕が支援する共産軍およびゲリラ部隊のこと。ベトナム共和国〔South Vietnam〕内で反政府軍事行動をとった。】ベトコンについては、迷倫さんの指摘で、資料に基づき訂正しました。

 

           四月十九日

「メソポタミア七千年の遺物また人類遺産が見事に壊滅」

「戦争では色々起こるとひと言(こと)のみ。人類遺産を壊した国が」

アメリカという国:
「テロに怯え他国の蒙る苦しみを解らうとせずニ国を破壊す」

アメリカへ:
「出て来ない大量破壊兵器のため君は一国を破壊したのか」

アメリカの論理:
「出て来ない悪魔の兵器はまあいいじゃん、〈自由〉を与えてやったのだから」

この無知・身勝手さ。無知は時には罪悪である:
「アフガンの今にも及ぶ悲惨さをイラク復興の手本とするって?」

「貧富の差深刻な国アメリカが見せ掛け自由で世界を泣かせる」     

 

      四月二十一日

「水色の空に浮かべる白雲に添ふは緑の花なる若葉」
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「白き蝶無数に宿してハナミズキ水銀灯に激しく光る」

「何鳥か白きはばたきひらひらと二羽睦みつつ闇に泳ぐは」

     四月二十四日

「濃厚な河靄湧きて赤電車行く鉄橋を包みゆく見ゆ」

「池の水濁れる中に緋の鯉のひるがへるとき花筏ゆれ」

「ガヤガヤと会話しながら六、七羽 鴨ら池から這ひあがり来る」

「嘴をつつき合ひつつ二羽の鴨対話してゐるサツキ咲く下」      

四月二十六日

結婚披露宴に出る
「たっぷりと春雨吸ひし杜の樹々差しくる朝日に緑したたらす」

「花嫁は父母に感謝を述べにつつ涙溢れて声をつまらす」

     四月二十七日

「路傍なるハナミズキ枯れし筈なのに梢近くに白き花つく」

      

     四月二十八日

多治見散策二首
「この狭き路地に窯元あふるるを 〈幸兵衛窯〉は卓男が持ち窯」

「豊造が唐九郎が幸兵衛が生命(いのち)を形に作(な)したる陶芸」

【注:卓男=加藤卓男、人間国宝、幸兵衛窯六代目当主;豊造=荒川豊造;唐九郎=加藤唐九郎;幸兵衛=加藤幸兵衛〔幸兵衛窯五、七代目当主〕、いずれも多治見ゆかりの稀代の陶芸家】 -------------- 「大衆がヒットラーに熱狂せし時期ありしこと人学ばずや」 「今宵またブッシュがヒットラーに重なりて脳裏を駆ける 故は知らねど」      

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