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平成14年8月の短歌

        9月の短歌


     9月5日

「肉体と精神−からまりころがって色即是空空即是色」

     9月6日

「窓枠に雨しぶく見て思へるは川土手に棲む虫の生きざま」


     9月7日

「突然9月11日が意味のある日となった、またその日がすぐ来る」


     9月8日

「構内に無尽数(むじんず)の虫鳴く声の大音響なれどうるさくはなし」

「枕辺を浸してとよむ虫が音(ね)にひとつ際だちカネタタキかな」

「燕去り雁が飛来し残暑止む日を白露(はくろ)とはたが名づけしや」


     9月10日

「正宗の兜思はす三日月が鈴鹿の嶺に腰掛けてをり」

「寂しげに消ゆるにあらず陰を食ひ三日月は日々満ちてゆくべし」

「空の瑕あるいは眉毛と言ふもよし三日月はただ三日月の顔」


     9月12日

「千幾度(せんいくたび)般若心経書きたれど生きて在るゆゑ惑ふは止むなし」


     9月13日

「秋半ば椅子に午睡の汝が上で縞なすブラインドの影がうごめく」

「曇る日はこもる低音晴るる日はかん高き声秋の野鳥は」

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「全天の闇落つるがに鉄拳が戦争好む国砕く夢」

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〈回想十首〉

「WTCビルに旅客機激突し火を噴くさまが音無く映る」

「もう一機突入せるにや双子ビル劇画のやうに炎上げたり」

「映画でもかやうな場面見しことあり高層ビルの火災なりけり」

「崩れゆくをを崩れゆくまたひとつただ鉛直に崩壊してゆく」

「同時多発テロなり国防省ビルも旅客機激突炎上せるとぞ」

「鬼の業はた神の業米国のシンボル瞬時に壊滅せるは」

「はかなきはテロの集団3000の犠牲者の次に来む地獄絵図」

「富める国憎しのテロのあはれなり貧困アフガン焦土と化せる」

「力無きゆゑに生命の重たさをせめて武器としテロ盲進す」

「ブッシュとかビンラーディンとかフセインとか名前の渦が世界駆けめぐる」


     9月14日

「稲田なほ青けれどはや垂れ初めし穂ぞひしめける作柄は良」

「なほ緑き稲田ただ中首のみを見せて白鷺二羽こなた向く」


     9月17日

「拉致されて既に死したるたれかれや半弦の月ビルにかかれる」


     9月19日

「秋日差す白壁に沿ひあざやかに黄花コスモス咲き競ひたり」

「雨のあと木曽川橋に大量のカゲロウ雪片のごと乱舞せり」

「一夜明け木曽川橋で人々が死(しに)カゲロウをショベルに掬ふ」


     9月22日

「雲の布空を覆へど名月が透かしてほのと灯す一隅」

「路地裏を歩きてうれし軒先に人ら懸命に花々愛す」

「デジカメで民家の軒の花花を撮りしを観れば園に勝れる」

「妻なれどまたいち人の女性(にょしゃう)にてカメラ向くれば撮らるる貌(かほ)見す」

「引退の噂もありし貴乃花 おう!優勝は惜しくも逃(のが)す」


     9月25日

「関ヶ原古戦場跡に佇めば血を噴くごとく曼珠沙華咲く」

「裏切りが歴史つくりし関ヶ原古戦場跡蕎麦の花咲く」

「古戦場経て登り来し伊吹山 雲行く下方に琵琶湖かがやく」

「黄の色に濃尾平野は平らにて伊吹山より岐阜、名古屋見ゆ」

「伊吹山ドライブウエイを下りきて138(いちのみや)タワー見ゆるぞうれし」

「伊吹山五合目あたりを下りつつかすかに名古屋のツインビル見ゆ」

(注:138(いちさんはち)タワーは木曽川河畔、木曾三川国立公園に立つ3本脚の塔。138は一宮の語呂合わせで(塔は一宮市の北の外れに立つ)、実際にも138メートルの高さ。)
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「山波に弾(はじ)かれて浮く楕円の月その下闇を電車が走る」

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