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お客様の歌

「ものぐさ」を訪ねてくださったお客様の作品と
梧桐 学の提案または返歌を記録しました。
コメント等、詳しい内容につきましては過去ログでの検索をご利用下さい。
2001年8月
8月1日
桐子さん
「侘しさや茜の雲の色も失せ人待ち顔の月もかかれる」

添削・改作(梧桐):
「夕茜雲の色さへ薄れきて差す月光も侘びしきは何故(なぜ)」


桐子さん
「人恋し障子に月の影あわく夢であいたしあの頃の君」

添削・改作(梧桐):
「月光がしんしんと障子に照る夜半あの日の君に逢ひたし 切に」


粋狂さん
雨煙る青田は強く漲りて歓喜の声ぞ地に起ちあがる

添削(梧桐):
「驟雨きて生き返りたる青稲田の歓喜の声ぞ地に起ち上がる」


8月3日
あゆ子さん
靖国や機密費などときりもなし憂さかっ飛ばせイチロー新庄

添削・改作(梧桐):
「靖国参拝・機密費詐取など切りがない憂さかっ飛ばせ松井・清原」


かすみさん
炎昼の道に身を寄す一樹なし白き路面にわが影を曳く

添削(梧桐):
「炎昼の道身を寄する一樹なし白き路面に自が影を曳く」
                  (自が影:しがかげ;自分の影)



nanamiさん
友達に戻ろうねって気持ちいい言葉はまた逢うためのいいわけ 

添削(梧桐):
「友達に戻ろうねなんて格好いい言葉はまた逢うための口実」


幸乃さん
高窓の明かりたよれる山岐の家族湯偲ぶ子等は幼くて

添削(梧桐):
「高窓の明かり小暗き山峡の家族湯偲ぶ 子ら幼かりし」

添削−2(梧桐):
「高窓の明かりが頼りの山峡の家族湯偲ぶ 子ら幼かりし」


8月4日
あゆ子さん
異次元の世界に落ち込む心地する山を揺さぶる蝉しぐれの道

添削・改作(梧桐):
「全山を揺さぶり降れる蝉しぐれ ああ異次元の世界ぞここは」


桐子さん
今日もまた路面に逃げ水見えそうで蜩さえも朝に鳴くかな

添削(梧桐):
「早朝に蜩鳴けり今日もまた路面に逃げ水ゆらぐ猛暑か」


8月5日
栗太郎さん
ウインドのベビーシュズ選びいる若き夫婦に親の顔見る

添削・改作(梧桐):
「デートする若いカップルされどベビーシューズを選ぶ顔は親なり」


あゆ子さん
通り雨うるおい帯びた土を踏みよろこびあらわす犬と散歩して

添削・改作(梧桐):
「ひと雨に暑熱が冷めた土踏んで犬もわたしも喜々とお散歩」


かすみさん
方向感失せて振り向く地下道に人つながりて蟻の行列


添削・改作(梧桐):
「地下道で方向感覚失ひて振り向けば日本人が蟻の列なす」


桐子さん
炎天や他に音なき蝉時雨人目も草も静まり返りて

添削・改作(梧桐):
「蝉しぐれ炎天の町にとどろけり圧(お)されて人界静まりかへる」


8月6日
あゆ子さん
「群れなして泳ぐめだかを見入りつつ 友と遊んだ幼き日々をも」

添削・改作(梧桐):
「水澄める器に放ちしめだかたち泳げる見つつ昔日かへる」


幸乃さん
掛け声に 生徒等いっせいに 駆け抜けて
            新たな陣形 見事に決まる


添削(梧桐):
「陣形を崩した生徒ら疾駆して新たな陣形をぴたりと決める」


8月7日

あゆ子さん
ようやくに咲きし薔薇ひとつ切りくれし そのさりげなさひそかに嬉し

添削・改作(梧桐):
「あの日君は「ようやく咲いた」と薔薇一輪さりげなく剪ってわたしに呉れた」


あゆ子さん
「一つだけやっと咲かせた赤い薔薇 切ってあたしにくれちゃうあなた」

添削・改作(梧桐):
相手も女性として・・
「「一つだけやっと咲いたわ、赤い薔薇。あなたにあげる」って?まあ、嬉しいわ」
相手は男性として・・・
「「一花(いっか)だけやっと咲いたからあげましょう」無造作にくれるあなたが好きよ」


添削・改作2(文語)(梧桐):
「やうやくに咲きしと紅薔薇一輪を君くれにけり ひそかにうれし」
あるいは、
「「薔薇一輪ようやく咲いた」と君呉れぬ そのさりげなさひそかにうれし」


粋狂さん
病室に老医師さげし風鈴は夜店で孫と選びたるとや

添削(梧桐):
「病室に風鈴吊しつつ老医師は「孫と夜店で選んだのです」と」


8月8日
かすみさん
「夏虫の合唱窓に香焚きて原爆に果つ命偲びぬ」(かすみ)

添削・改作(梧桐):
「窓の辺(へ)に虫が音(ね)繁し香(かう)を焚き原爆に果てし生命(いのち)悼まん」


桐子さん
風もなき闇のキャンパスに打ち上げし花火の残映白くとどめて

添削・改作(梧桐):
「風落ちし夜空に咲いて消えゆきし花火しばらく白煙とどむ」
               (風落ちし、は風が止んだの意味です。)

添削・改作-2(梧桐):
「無風の闇カンバスとなし開きたる花火そののち白煙と化す」


幸乃さん
炎天下出掛けし吾子を待つ夕も
  秋立つ日なれば 暮れやすきかな


添削・改作(梧桐):
「炎天下元気に出掛けし吾子待つにはや暮れむとす 今日は立秋」


8月9日
桐子さん
轟きに慌て飛びたつ鳥たちは花火色して夜空にうかぶ


添削・改作(梧桐):

「幾百の鳥いっせいに飛び立てる影あざやかに花火が照らす」

「闇に散る花火に浮けり幾百の鳥いっせいに飛び立てる影」

「驚いて鳥いっせいに飛び立てる影を照らして花火満開」

「樹林より鳥驚きて飛び立てる影の幾百花火にかがやく」



8月11日
あゆ子さん
鉢に生けしクレソンのひげ根長く伸び隠れつ泳ぐめだか涼しげ

添削・改作(梧桐):
「鉢に浮くクレソンの根のジャングルを縫ってメダカら泳ぐ涼しさ」


桐子さん
うたかたの夏かなやうやう脱皮すも狙はれしセミならなほさらに

添削・改作(梧桐):
「脱皮してはや鳥の餌(ゑ)になる蝉や うたかたの夏は悲哀にみちて」


8月12日
九里多朗さん
<小さな手でオモチャ指差す幼な孫ジイジイは素直な従者となれる>

添削(梧桐):
「小さな手で「これほしいよー」とねだられてうれしいジイジイは素直な従者」


8月13日
あゆ子さん
涼しげな貝の絵手紙ありがとう 昔私があげた貝よね

添削(梧桐):
「ありがとう涼しい貝の絵手紙ね 以前わたしがあげた貝なの?」


幸乃さん
素足にて踏めば忽ちかほり立つ
      早緑あはきクリープミント


添削・改作(梧桐):
「庭に敷くクリープミントはさ緑に匂へり素足で踏めばうれしも」


粋狂さん
痩牛の振向く先に千の秋背を過ぐ風はまた知らぬげに

改作(梧桐):
「群牛らのんびり草食む夏野とは見えて吹く風ほんのりと秋」


桐子さん
夕ぐれて夏虫に混ざりこうろぎのひそかに鳴きて我秋を知る

添削・改作(梧桐):
「この夕べ夏の虫鳴き蟋蟀も唱和するかな もう秋なんだ」

添削・改作−2(梧桐):
「この夕べ夏の虫鳴き蟋蟀の音(ね)もひそやかに もう秋なのね」



粋狂さん
サロベツの原野に夏の花咲くもその小さきに吾は気づかず

添削・改作(梧桐):
「サロベツの原野も夏は小花咲くされど気付かぬ益荒男(ますらを)ありき」


8月14日
ビアンカさん
アルバムの、表紙のほこりを、払いのけ、中を開けば、幼き姿


添削・改作(梧桐):
「塵払いアルバム開く。ほほえむこの幼ない子にはもう戻れない」


8月15日
幸乃さん
学び舎を去りにし友と久方に会ふてふ吾子の夏十七歳

添削・改作(梧桐):
「思春期の息子は高校中退の友に久方ぶりに会ふとぞ」


粋狂さん
何時の日に旅は始まり何処にて旅は終わらむサロベツの野よ


裕紀さん
朔の夜に ソラの果てには 望の影 満つれば虧くと 古人の言ふも

添削・改作(梧桐):
「朔の月満ちてゆく影想へるに欠けゆく月を愛でしいにしへ」
(愛でし=めでし)


8月16日
九里多朗さん
  <嫌な事みんな忘れて釣り糸を川面に垂らしジイと見て居る>

添削(梧桐):
「世事はみんな忘れて釣り糸垂らしつつ川面の浮きをジーッと見て居る」


桐子さん
お囃子にひとしほ恋しふるさとの友の顔、顔、みかんの花が

添削(梧桐):
「納涼のお囃子流れああ恋しふるさとの友、みかんの花も」


粋狂さん
蛍追う妹の浴衣の乱るるはもの思はずと問わず語れり

添削・改作(梧桐):
「妹は浴衣の裾の乱るるも知らず無心に蛍を追へり」


8月18日
あゆ子さん
「よかったね」義父の耳にささやけるナースの言葉我うれしくて

添削・改作(口語新仮名遣い)(梧桐):
「通りつつ声かけるナースの一言にわたしも病いの義父も明かるむ」


8月19日
粋狂さん
住職は美男と噂姦しきそれも善哉曾ババ大往生

添削・改作(梧桐):
「住職はもっぱら美男の誉れ高しそのおん母の祖母様大往生」



8月20日
九里多朗さん
  <儘ならぬ動詞活用にてこ擂りて迷い迷える詠(うた)七変化>

添削・改作(口語新仮名遣い)(梧桐):
「文法が気になり出してひねくるから短歌は七変化いや十変化する」


8月24日
粋狂さん
一斉に輝く葉裏は銀の如ポプラ並木は秋へ傾く

改作(梧桐):
「銀色に葉裏一斉にひるがへすポプラ並木は秋へ秋へと」


九里多朗さん
 
  <紙飛行機孫ととばせる公園の空に整然と鴉の編隊>

添削・改作(梧桐):
「公園で孫と紙飛行機飛ばせるに鴉の編隊空わたりゆく」


8月26日
西 妙子さん
宙天に向きて咲きたる夏の花風ささやけど首をふりたり  

添削・改作(口語新仮名遣い)(梧桐):
「太陽に向かって開くひまわりに風がしきりにささやきかける」  



8月27日
粋狂さん
流星を指差す稚児の視線には宙の秘密ぞ輝きてあり


添削・改作(梧桐):
「流れ星指さす幼なの視野にして宙(そら)の神秘がかがやきを増す」


かすみさん
風鈴の未明に鳴る音微かにて独りの胸をよぎる哀しみ
               

添削(梧桐):
「薄明に風鈴ひそかな音(ね)に鳴れば独りの胸をよぎる哀しみ」


幸乃さん
「責むることなかれ見果てぬ夢こそは現を超えて花を咲かせむ」

添削・改作(梧桐):
「見尽くせどなほも見果てぬ夢あらばうつつを超ゆる花となるべし」


8月28日
桐子さん
訪ねたやねやに蟹など寄るといふ我の生まれし浜ちかき町を


あゆ子さん
車椅子の義父の側に寄るナース やさしい言葉に辺り和らぐ

添削(梧桐):
「車椅子の義父に近づき声かくるナースは泉のやうにやさしも」


8月30日
幸乃さん
 ゆっくりと 蚊帳吊草を 引き行けば
    むこうのはじより 亡祖母も引き来る


添削・改作(梧桐):
「かやつり草引き抜き行くに庭隅に今も草取る亡祖母うかぶ」

改作-2(梧桐):
「蚊帳吊草(かやつり)を裂いて遊ぶに他端では
               亡き祖母が裂き近寄れる見つ」

(「裂いて」は本来「裂きて」ですが、語感が固くなるので新仮名としました。)

あゆ子さん
早朝ホテルの窓から見えたしらす船です。

朝凪の水平線に現れし何十艘ものしらす船みゆ

遠目にも船の上下するをみゆ黒煙なびかせ波濤蹴立てて

しらす船舳先を西に競うがに全速力で漁場に向かう


添削・改作(梧桐):
「朝凪の水平線を幾十ものしらす船走る遠き漁場へ」

「上下動遠目にも見え漁船らは黒煙なびかせ波切りすすむ」

「進路は西! しらす船団競ふがに全速力で漁場に向かふ」



8月31日
幸乃さん
 ゆく夏を惜しみ さ庭に降り立てば
       東の空に ベガスス上り来


改作(梧桐):

「炎熱の夏過ぎんとしさ庭辺に涼めば地平ゆペガサス昇る」
(「さ庭辺に」=さにはべに;「ゆ」=より、から、の意。)



あゆこさん
朝まだき波が運んだ磯の香をカーテン開けてそっと嗅いでみる

改作1(梧桐):
「海に向く窓そっと開け朝風に乗りくる磯の香に包まれぬ」
改作2(梧桐):
「海に向く窓開けはなち朝風の運べる磯の香をそっと嗅ぐ」


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