052813
[新着][目次][ワード検索][過去ログ][梧桐学の「いい歌ですね!」]

梧桐学の「いい歌ですね」2005年まで分
過去ログより少しずつ「いい歌」を抜粋してみます。時々のぞいて下さいね。

歌集紹介 短歌教室 短歌収納庫 短歌添削BBS1 短歌添削BBS2 梧桐学のいい歌ですね ものぐさ談話室 ものぐさBBS ものぐさ歌会 ものぐさ写真館 ものぐさリンク集 プロフィール メール送信 トップページへ
*--- 歌の題名 ---*
1.木枯らし   有袋類   立冬   石狩   母の孤独   虹の輪の中   喪が明けて   大きな夢掴んでね   工場の金木犀   読書の秋
2.満ち潮   影法師      秋明菊   金木犀   半島の静かな町に住んだ思い出    薪能      十六夜の月   木犀
3.時間   さるすべり      マニキュア   星空   母旅立ちぬ   逸れ鳥   白百合   夜風   義父
4.風鈴   流星   ポプラ並木   蛍追う   残映   風鈴   通り雨   ベビーシュズ   トーチカ跡   名曲
5.夜汽車   to make tanka makes me comfortable   時空をこえて   花氷   飢餓ゆゑに   ピアス    若き日を偲びて
 新着の期間 日  [目次OFF]  [新着一覧

満ち潮2001/10/26(金曜)

「満ち潮の予感にも似て足もとの砂のお城は間なく崩ゆらん」(幸乃)

「崩ゆらん」は「くゆらん」と読みますね(不慣れな方のための注釈です)。全体にはよく詠めていますが、「・・予感にも似て・・・崩ゆらん」のつづき具合が良くありません。「予感」は作者の主観ですからね、事象を表すものではありませんから。「予兆」でしょう。また、満ち潮によって崩されるのでしょうから、崩れることが予兆というのも変ですね。それに、結句がこの歌を一挙に古風にしていますね。と詰めてきて、改作の方向が定まっていくわけです。
 これは、かっての想い出なのでしょう。

添削・改作(梧桐):
「満ち潮の予兆に足下(そっか)の砂ゆるみ砂のお城が崩れむ気配」

いい歌になりました。


影法師2001/10/27(土曜)

日の暮れが早くなって来ましたね。
おかげで、夕方お散歩に出ても(犬と一緒です) 帰る頃にはすっかり暗くなって「影も一緒」なんて事が度々あります。影を見ながら歩いているとふと、道化師の姿が重なってきます。影は嬉しさ、悲しさ、それらの気持ちに無頓着に顔もなく表情もなく、ただ黒いだけ、...心がみえない...
道化師も素顔を隠して、おどけ笑わせる、...心がみえない...
そんな風に思えたのです。

「影法師心の機微を映さぬは素顔を隠す道化師の如」(桐子)

キーワードの影法師。何の、あるいは誰の影法師なのか、あいまいで、残念ですね。折角の歌材の印象が、そのために随分薄れています。添え書きを参照しながらの改作です。
添削・改作(梧桐):
「自(し)が影を見つつ歩めどその主の心映さぬ影は道化師」

これはいい作品になりましたね。

二首目は反対に影が心を映し出すという・・・

「道化師を真似て陽気にふるまへどわが影法師はうなだれ沈む」(桐子)


添削・改作(梧桐):
「道化師の陽気さをもて振舞へど影は正直うなだれてをり」

これもいいですね。


2001/10/24

「耐え難く呑みたる酒かドア荒く肩で押し開け出て行く男」(九里多朗)

このところ急速に作歌が上手になっておられます。目を見張るほどです。この歌、添削しようとしましたが、特に添削・改作の要を感じません。このままで十分傑作です。大したものですよ。


秋明菊 2001/10/18(木曜)

雨が続き 冷え込みました。
九州の山々は これから 紅葉の見頃になります。
標高が高くなるほど 見頃は 秋深くなります。

  秋雨のまゝに暮れ行く庭隅に
    しゅうめい菊のひともと明し

白花の秋明菊が群れて咲いているあたりだけ ぼうっと ほのかに明るく
みえます。 「秋明菊」と漢字にしますと 「明」の字がふたつになるので
ひらがなにしてみました


10月も半ばを過ぎて、いよいよ各地が紅葉の季節に入って行きますね。東北・北海道ではもうすっかり紅葉の季節のようですが

”白花の秋明菊が群れて咲いているあたりだけぼうっとほのかに明るく・・・”と添え書きにあり、歌では「ひともと」(一本)となっていますね。たぶん、添え書きの方が事実なのでしょう。秋明菊をあえてひらがな表記(但し菊だけ漢字)する工夫をされましたが、効果のほどはどうですかね。(いっそのこと、菊もひらがなの方がいいでしょう。)
秋明菊という漢字は、視覚的にも美しいですね。これをひらがなにするのは勿体ないでしょう。(もちろん、音感もいいですね。)

添削・改作(梧桐):

「雨にはや暮れつつ暗い庭隅に秋明菊の白きむらがり」


これなら奥行きも出て、いいですね。(「暗き」をあえて「暗い」としました。「白き」の「き」との重なりを避けたことと、音感を柔らかくするためです。ここだけ口語的だから作者のつぶやきのようにもとれますね。)また、「暗い」とすることで、秋明菊の白を一層印象づけようとしました。こうした操作は、あくまでも歌全体の感じからしています。
一首一首を大切に、推敲によって育て上げる、という感覚です。


金木犀2001/10/17(水曜)

「金木犀いづくに生ふる ある朝 薫り初むるを年毎おどろく」(幸乃)

金木犀の薫りといえば 半島の旧家でも 思い出があります。
ある朝 雨戸を繰ると おやっ…と 薫りがしましたので 庭に 
金木犀が植えてあることに気付いたのです。
四季の巡りで 次々と 花が咲き匂う度に ああ ここにこの花が植えて
あったのね と 毎日のように庭を巡って 家中に花を活けました。

今の家に住んで 十年以上経ちます。秋風が 年毎 金木犀の薫りを
運んで来てくれるのですが その金木犀を見たことはまだありません。
  

金木犀の薫りは強いので、直ぐにそれと気付きますね。その薫りの源である木本体がどこにあるかも分からないままに・・・。

添削・改作(梧桐):
「金木犀いづくか知らず とある朝(あさ)香の立ち初めて在るを知るなり」

奥行きのあるいい歌になりましたね。
「とある朝(あさ)」は「ある朝」を強めた言い方で、「ある朝不意に」の気持ちですが、ニュアンスとしては奧深さを併せて感じさせますね。


半島の静かな町に住んだ思い出2001/10/10(水曜)

「医師確保難き時代を偲びつつ一年(ひととし)住みき 半島の旧き家」(幸乃)

本当に静かな町でした 海辺にはすぐ行けました
山の方は 山全体が修験道の場 お寺巡りもよく致しました
家は 玄関の構え 二間床の本間の座敷に広縁 広い庭… 
時の流れが異なるような 一年間でした


「医師確保難き・・・」は「医師確保し難き・・・」でいいでしょう。「一年」は「ひととせ」ですね。結句の「旧き家」は「旧家」でいいですね。むしろ、これで添え書きにあるような家の状況が彷彿とします。ただ、第3句の「偲びつつ」の内容がいまひとつはっきりしません。
しかし、詠まれている内容はかなり複雑ですね。過疎地での医師不足は深刻なようです。

添削・改作(梧桐):
「医師確保し難き時代を嘆きつつ半島の旧家にひととせ住みき」

内容的に厚みのある歌ができました。


薪能2001/10/04(木曜)

「幻と現にゆれて篝火に舞う花の精 能の夜祭り」(かすみ)

「寂寥の胸に打ち込む鼓の音 山の端に消え薪能舞う」(かすみ)


第一首目,荘厳にして美しい情景ですが,結句の繋がりがいまひとつですね.
また,これは格調高い文語短歌ですから,「舞う」は「舞ふ」,「夜祭り」は「夜祭」ですね.後者は「やさい」と読みそうですが,ルビを付ければいいわけです.(文語正統派短歌にはうってつけの主題です.)かすみさんのセンスは文語短歌向きですね.

添削・改作(梧桐):
「現とも幻とも見ゆ薪能 篝火に舞ふは花の精にて」

第二首も同様に美しいです.ことに上三句がいいですね.第四句「山の端に消え」がちょっとあいまいで惜しいです.これはなくていいでしょう.

添削・改作(梧桐):
「薪能しづかに進み寂寥の胸に鼓の音を打ち込む」


2001/10/03(水曜)

初心者と言われるけれど、作歌のご経験はかなりおありですね。この投稿歌がそれを示しています。幾つくらいの女性かな、など想像しながら(的外れになってもいけませんから)、添削を考えました。お若いには違いないが、十代、二十代ということはないですね(間違ったら失礼)。女心の微妙さを歌に写すことは、確かになかなか困難です。

「さ揺らげる花弁のごとく微かなる変化を見つむ手鏡の中」(あかり)

「花弁」というのは色々ありますね。もう少し具体化したいところです。エロチックさより爽やかさを出したい・・・。「ごとく」もこの歌の雰囲気からはちょっと語調が強いですね。「やうに」としましょう。この歌、鏡の中の自分の顔に現れる微妙な変化を詠もうとしていますね。その前に、きっと何か事件らしき事があったのでしょう。それで、平静になろうとしても、鏡の顔にはついある種の動揺が現れると。それを客観視している作者の眼。考えれば、色々な事、思いがこの歌に込められているわけですね。また、この歌の底にはナルシシズムがありますね。それがまたいい。

添削・改作(梧桐):
「風ゆらす生絹のやうに翳うごく鏡の中の貌を視てゐる」

読み:「かぜゆらすすずしのやうにかげうごくかがみのなかのかほをみてゐる」

これ、いい歌ですね。


十六夜の月2001/10/03(水曜)

「いざよいの月に照らされ庭の木は静かに大小の陰を落として」(すみえ)

はじめて、真ん丸くなった時にいざよいの月を見ました。ただ、私の目には高く上っていただけでしたが。でも、なんだか感動しました。近くにあるヒイラギやさるすべりの木は影絵のようにきれいなかげを作っていました。ヒイラギの名前を入れてみたり、影絵を作っているとも詠んでみたのですが、うまくいきません。遠くの梅の木などは大小のかたまりに見えたのでそのように詠みました。何とかしてください。よろしくお願い致します。


これらの木々、全部入れてみますか。

添削・改作(梧桐):
「ひいらぎも梅・さるすべりもいざよひの月に照らされ森閑とあり」

結構うまくいきましたね。いい歌ができました。


木犀2001/10/02(火曜)

「木犀の匂へる小径ちさき子に星の名なるやと問はれつ歩く」(桐子)

結句「問はれつ歩く」の「つ」は過去を表す助動詞で、「つつ」とは違います。しかし、ここは「つつ」のつもりですね。(^^;
「星の名なるやと」は「木犀」のことですね。読者はちょっと考えるでしょう。

添削・改作(梧桐):
「木犀が匂うねこの道」吾が言へば「お星の名前?」と小児が問ふも」

はは。いい歌になりました。


[直接移動] [1] [2] [3] [4] [5]
投稿画像の表示サイズを変更できます
管理者用

- Joyful Note -
- JOYFULYY v2.50y24 :Edit by Yamamoto -